あなたのコロナ禍は収束した? 5類移行から1年 家庭や職場…今も色濃い影響 長崎

あなたのコロナ禍は収束した?

 新型コロナウイルス感染症が季節性インフルエンザなどと同じ法律上の5類に引き下げられて8日で1年。県民の日常生活でコロナ禍は「収束」したのか。長崎新聞の情報窓口「ナガサキポスト」のLINE(ライン)で実施したアンケートでは「収束していない」と答えた人が「収束した」を上回り、家庭や職場環境によっては、現在も生活に色濃い影響が残っている状況がうかがえた。
 回答した計329人のうち、「収束していない」と答えたのは139人で約4割を占めた。「まだ感染者は一定数いる」「感染力が弱まったわけではない」などウイルスへの警戒心が根強い。5類移行後に自分や家族が感染し、感染力の強さや症状の重さを再確認したという人もいた。
 抗がん剤治療中という長崎市の高齢男性は、感染予防のため人混みを避け、マスク着用を徹底。「かわいい孫に会う機会が減ってしまい、収束とは言えない状況」と吐露した。壱岐市の60代女性は「今も後遺症の人がいる。インフルエンザとは違う」と強調した。
 医療・介護現場では現在でも厳しい感染対策が続いている。医療従事者の松浦市の50代男性は「職場での飲み会自粛、患者への制限は残り、一般社会との隔たりを強く感じている」。保育園勤務の大村市の60代女性は「(緊急事態宣言時の)あの『戒厳令』みたいな状況は忘れられない」とし、現在も人混みを避けて生活している。
 「収束した」と答えたのは101人で3割程度だった。「収束を感じたタイミング」として「マスク着用ルールの緩和」と「5類移行」を挙げる人が多かった。「ノーマスクの人を以前ほど警戒しなくなった」「マスク未着用に罪悪感や抵抗を感じなくなった」など心理的負担の軽減を指摘する声もあった。行事やイベントの再開、ライブやスポーツ観戦、海外旅行などの趣味の“解禁”を機に収束を実感する人もいた。
 コロナ禍以降、自身の生活で定着した「ニューノーマル(新常態)」について聞くと、大半がマスク着用と手指消毒を挙げた。長崎市の40代男性は「会社内の慣例的な飲み会が減ったり、出張がリモート会議になったりと効率的な選択への社会の許容範囲が広がった」と変化を歓迎した。

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