【SNS特報班・防災】最も心配な自然災害アンケート

■本県「津波」4割超 南海トラフへ警戒強く

 元日に能登半島地震が発生し、自然災害への関心が再び高まる中、読者からの投稿に応える報道で連携する宮崎日日、西日本、熊本日日、南日本の九州4紙は、「防災」をテーマに合同アンケートを実施した。「最も心配な自然災害」について、日向灘に面する本県は、「津波」と答えた人が4割を超え、九州で最も高かった。「自宅が沿岸部に近く、津波浸水区域に入っている」「いつ起きるか分からない」などの理由が目立った。

 心配な自然災害を複数回答で尋ねたところ、全体では地震(89・1%)と回答した人が最も多く、台風(50・1%)、豪雨(42・3%)、津波(19・2%)と続いた。本県は地震(91・2%)、台風(53・8%)の次に、津波(42・9%)が多かった。太平洋に面する鹿児島、大分県でも3割弱の人が津波を選択した。

 南海トラフ巨大地震などに伴う津波への警戒心が背景にあるとみられ、宮崎市の会社員男性(46)は「自宅が津波浸水区域になっているから」、同市の無職男性(76)は「今日、明日かもと身構える日々はつらい」と回答した。

 「既に行っている備え」には、本県の5割以上の人が飲料水などを準備していると回答。ただ、大半の人は自然災害に伴う避難経験がなく「避難生活への不安」を尋ねた記述欄には、トイレや集団生活を懸念する声が多数寄せられた。

 一方、「『自然災害伝承碑』や先人の言い伝えなどを活用した防災教育はあるか」との設問に、本県で「はい」と答えた人は9・9%(全体8・4%)にとどまった。地域伝承の積極的な活用が課題として浮かび上がった。

 アンケートは宮崎日日新聞の「SNS特報班」をはじめとする4紙の通信アプリLINE(ライン)登録者などが対象。3月8~15日に行い、宮崎、福岡、熊本、鹿児島県を中心に九州7県などから1059人が回答。うち本県在住者は91人だった。

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