福島県双葉郡の子育て世帯 休日の買い物「郡外」8割 民間調査 生活環境はいまだ不十分

 福島県浜通りの子育て支援団体「いわき・双葉の子育て応援コミュニティcotohana(コトハナ)」が双葉郡の子育て世帯を対象にアンケートを実施した結果、休日の買い物や子どもの遊び(レジャー・公園など)は約8割が郡外に出向いていると回答した。郡内の子どもの数は増えている一方、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興に歩む地域の子育て環境は、いまだ不十分であることが浮き彫りになった。

 コトハナが8日、発表した。平日の買い物は68.1%が住んでいる町村内で済ませているのに対し、休日は77.8%が郡外に行っていると答えた。平日の遊びは61.1%が住んでいる町村内で楽しむ一方、休日は75.0%が郡外に足を運んでいるとした。

 病院の利用も63.9%が休日は郡外に行くと回答。習い事や塾などの学び・体験は約6割が「郡内でできる機会がない」と答えた。

 コトハナの調査によると郡内の子どもの数は毎年増えており、今年4月時点で少なくとも約1320人が暮らしている。ただ、郡内での買い物は子育て用品がそろわず、外遊びなどの場所も限られていると分析。地域内で豊かに子育てするには、行政や企業などによる財政支援が望まれ、実情に応じた枠組みを検討する必要があると提言している。

 調査は昨年11月から今年2月まで初めて実施し、双葉郡8町村で子育てする72人が回答した。

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