咲き誇れ、ご近所付き合い 珠洲・宝立小中で花壇づくり 〈1.1大震災〉

花の苗をプランターに植える児童と住民=9日午前11時20分、珠洲市宝立小中

  ●避難住民、児童と世話で協力 

  ●「この花を交流のシンボルに」

 珠洲市宝立小中の児童と同校内の避難所や運動場の仮設住宅に身を寄せる住民が9日、プランター花壇づくりを始めた。共同で花苗を植え、世話も一緒に続けることで学校を彩るとともに、「ご近所付き合い」を深める。花を介して児童と住民の交流だけでなく、避難する高齢者の外出機会を促すことにもつながることから、市教委は今後、他の小中学校にも広める。

 避難する住民と児童との花のプランター花壇づくりは、ホームセンターのカインズ(埼玉県本庄市)が協力し、プランターや花苗、培養土などを提供した。珠洲市教委側が学校と連携した花壇づくりなど地域貢献を進める同社の取り組みを知り、協力を打診した。

 宝立小中には、プランター20個と花苗120本が提供された。1~5年生20人と仮設住宅の住民10人、避難所で過ごす10人が触れ合い、カインズ社員の手ほどきも受けながら、ペンタスやニチニチソウなど4種類の花苗を植えた。夏まで咲き続けるという。

 参加した高齢者らは、子どもたちの作業を手伝いながら、「上手や」「きれいやね」と声を掛けて笑顔を広げた。苗を植えた後、児童はプランターにつける名札も作った。

 プランター花壇は校舎と仮設住宅の間に置き、児童と住民が世話を続ける。倉見淳校長は「一緒に世話を続けていきたい。この花が交流のシンボルになると思う」と話した。

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