令和の嫁姑は平和路線にシフト⁉とはいえ、「長男の嫁なのに…」「里帰りなんてダメ!」などのドロドロ事情も…

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「たまひよ」アプリユーザーに「あなたは義父母と実父母、どちらとの方が居心地良く過ごせますか?」と、質問。当然のように約60%が「実父母」と回答しながらも、「とはいえ、義父母とも良好な関係」という声が多く寄せられました。令和の嫁姑問題は平和路線にシフトしているようです。2児の母で子育てアドバイザーの長島ともこさんに聞きました。

「義母があこがれ」「実家よりのんびりできる」など、義両親大好きなママたちの声

「義父母とは、気を遣うけど嫌いじゃない」という令和の嫁姑事情

Q:あなたは義父母と実父母、どちらとの方が居心地良く過ごせますか?(※女性の回答結果)

1位 実父母の方が居心地がいい 58%
2位 実父母・義父母ともに居心地良く過ごせる 29%
3位 義父母の方が居心地がいい 6%
4位 どちらも居心地が悪い 3%
5位 その他 4%

「あなたは義父母と実父母、どちらとの方が居心地良く過ごせますか?」では、「実父母」と、答えた人は58%でしたが、コメントでは「とはいえ、義父母とは良好な関係」という書き込む人が続々。「実父母・義父母ともに居心地良く過ごせる」29%、「義父母の方が居心地がいい」6%と合算すると、過半数は義父母とは良好な関係を築けていると言えそうです。とはいえ、ドロドロな嫁姑関係も健在のよう。

まずは「実父母より義父母の方が居心地よく過ごせる」のコメントを紹介します。

「義父母の方が居心地がいい」という少数派の声

「仏のような義母で心から尊敬しています。私が熱を出して夫と子どもが義実家に避難した時は、私のために食べられそうな食材やお弁当などしこたま買い込んでくれました。結婚前、私の家庭が複雑なことを話したら、背中を優しくさすって『大丈夫や』と、言ってくれました。この人なら全力で介護するしオムツもかえてあげたいと思います」(つなまよ)

「実母がいわゆる毒親です。義父母は気遣ってくれるので、嫁姑問題は今のところなく安心しています」(うみ)

「実父母の方が居心地良い」けど、「義父母は嫌いじゃない」という声

「結婚前はお姑さんにいびられるのではないかと不安でしたが、私の心配とは裏腹に一緒にお菓子作りをしたり、ご飯を食べたり仲良くしています。周囲を見渡しても、嫁姑問題は少なくなっていると感じます」(みさき)

「特に嫁姑問題はないです。義父母があまり口出ししないよう意識してくれて、ほどよい距離感です」(り)

「義母は仕事をしているし距離的にも離れているし、なおかつでしゃばるタイプではないため特に問題はありません。逆に気遣っていただき、ときどき贈り物が届きます。お礼の電話をすると40分くらい話すことも(笑)」(ミニピロロ)

「姑がとても気を遣ってくれる人です。私が流産したときは『赤ちゃんを見るのが辛いだろう』と、生まれたばかりの義姉の子に会わなくていいように取り計らってくれました」(すず)

「実娘のように大事にしてもらっています。が、やはり気を遣うので実父母の方が居心地は良いかな」(クラP)

トラブルはないけれど、性格や価値観が合わないなぁ、という声

「嫁姑問題はありません。が、義母の『私は嫁姑問題を気にして“あげてます”よー』アピールがすごく、正直めんどくさい(笑)」(ちゃんぴ)

「嫁よりも姑の方が気を遣う時代になったかなと思います。実際、義母が私にとても気を遣っていると感じます。ただ、義母の気遣いが私にとってはありがた迷惑であることが多く(笑)、性格も全く合わないのでモヤモヤ…」(ぽん)

「良くしていただいてると感じます。でもまだ生まれてもいない子どものことで、留学させた方がいい、ピアノは習わせなさいなど、あれこれ口を出されることはモヤッとします」(はとちゃん)

「嫌いというか、苦手というか。義母は何かと私と娘に食べることを強要してきます。ある日なんて、家族でランチを予約。行く前に義実家に立ち寄ったら義母が『お昼ごはん食べてって』と。『このあとランチの予約があるので』と、断ると『じゃあ、お腹空いているでしょ!食べてって!』と。はぁ???? と、思いながら再度断ると『えー、じゃあ、予約の時間までお腹を空かせたままなの?お腹を空かせたまま予約の時間まで食べないつもりなの?』と。なんの強迫観念⁉と、逆に心配になりました」(みわ)

「義母は悪意なくいろいろ言う人なので、伝える情報には気をつけています。妊娠も安定期に入ってから報告し、その前に子宮筋腫の手術をしたことも内緒にしていたのですが、実父経由でバレました。案の定すごい大騒ぎに。本当に言わなくてよかったと思いました」(雑魚寝)

「特に何かを直接言われることはないけれど、不満はあるのだろうと感じることはあります」(こう)

「あまり干渉しないのか興味がないのか、何も聞いてこないのが逆に怖い(笑)」(あいあい)

嫁姑問題はやはり根強い?「義父母が苦手です」という声

「マイホームを購入することになり夫が義実家に連絡したら、なぜか私が怒られました。『都会の家なんて狭くて高いだけ』『長男の嫁なのに何でうちの息子を止めないの?あなたの役目でしょう?』などなど。いやいや、私の夫ではあるけれど、その前にあなたたちの息子でしょ?性格ぐらい分かっているでしょ?と言いたかったです」(さっちん)

「夫の無駄遣いの多い金銭感覚のことで喧嘩をしていたら、そこに義母が参加。私に『嫁は苦労するもんや』と。どうやら励ましているつもりのようですが、『まずは息子(夫)に注意しろよ!!嫁に苦労させないように息子を怒れよ!!』と、思いました。そうやって息子を甘やかしてきたから、このような事態になるんだよなぁとため息出ました」(いしこ)

「息子(夫)を溺愛する義母が大嫌いです。『里帰りなんてしないで、自分たちでやりなさい』と、言われたときは『あなたの息子は、家事はまったくできないし育児には無関心なんですが』と、言いたかったです」(えりたん)

「義母から『自分たちが預かった時のため哺乳瓶で練習してほしい』『人見知りさせないようにしてほしい』と、言われてモヤッ。母乳をあげたいし、乳児の頃に預けるなんてもってのほか。そもそも人見知りさせるなと言われても無理」(ゆいめい)

「義父母の古い考えについていけません。女性が働くことに対して『8~9万のために家庭を犠牲にするのか』と言われ、出産では『早生まれはいじめられる』『下から産みなさい。帝王切開は絶対にだめ』など、考えがヤバすぎる…」(ぴよち)

「産後、実母に来てもらうことを提案したら即却下。産後の肥立ちが悪くて通院が必要になり、渋々了承してくれたけど。そのくせ孫を預かると言ってくる。絶対に預けたくない」(すみたんまん)

そして、ベテランからこんな声もありました。

「前夫の話ですがいいですか?前夫の義両親とは結婚する前から仲良しでした。旅行のお土産を渡したり、家族行事には必ず参加したり、14年間仲良しだと信じていました。しかし前夫の不倫が発覚すると、義両親は私の味方になるどころか冷たい対応。前夫から再構築の申し出があった際は、前夫のことは許せても義両親のことがどうしても許せませんでした。結局は離婚したので、前夫の義両親なんてもうどうでもいい存在なんですが」(たき)

ドロドロ話はインパクト抜群ですが、「義父母とはトラブルはない」という声は本当に多く、「私のみならず、私の周りも義実家とトラブルをおこしている人はいない」という声もチラホラ。
2児の母で、子育てアドバイザーの長島ともこさんに聞きました。

「同居率の低下、さらにネットで嫁姑問題が広く認知されたことで軋轢が減少か」と、専門家

「明治時代に定められた『家制度』。戦後の民法改正で廃止されましたがその慣習がしばらく残り、ひと昔前は『嫁は姑の言うことを聞いて当然』という考え方が一般的でした。
しかし今は、嫁と姑の距離感や付き合い方が多様化。お互いの価値観を認め合う関係性が一般的になりつつあることが、アンケート結果からもわかります。

その理由のひとつとしてあげられるのが、義両親との同居率の低下です。
2019年に発表された国立社会保険・人口問題研究所のデータによると、夫の両親と妻の両親どちらかと同居している割合は、全体の20%未満と、年々減少傾向にあります。義両親を『嫌い』になるような機会が相対的に減ってきているぶん、その軋轢も減少しているのでしょう。

もうひとつは、インターネットやSNSの普及です。嫁姑関係に関する情報が簡単に得られるようになったため、周囲の経験談や専門家のアドバイスを参考にしながら自分なりの解決策を見つけやすくなったということもいえるでしょう。

もちろん、全ての嫁姑関係が平和というわけではありません。『これといったトラブルはないけれど、モヤッとする』『今どきではない考え方や、夫を溺愛するあまりの言動にイラッとする』といったコメントも見受けられましたが、人間同士が関わりあう中で、このような気持ちのゆらぎが生じるのは当たり前。

義両親は、人生の先輩でもあります。
『あいさつはしっかりと』『物を贈ってもらったときにはすぐにお礼する』など、最低限のマナーを心がけつつ、

・ 無駄にはりあおうとしない。・ つかず離れず、程よい距離感を保つ。・ イラッとしても他のことで気を紛らわせ、あとをひかないようにする。

などを心がけ、良好な関係を保っていきたいものです」(長島ともこさん)

長島ともこ

PROFILE)
フリーライター、エディター、認定子育てアドバイザー。教育、育児、妊娠&出産を中心に幅広い分野で取材、執筆、企画ディレクション等を行う。PTA活動にも数多く携わり、その経験をもとに、書籍『PTA広報誌づくりがウソのように楽しくラクになる本』『卒対を楽しくラクに乗り切る本』(厚有出版)を出版。All About子育て・PTA情報ガイド。大学生と中学生の母。

https://www.tomokonagashima.com/

文/和兎 尊美

※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※調査は2023年11月実施の「まいにちのたまひよ」アプリユーザーに実施ししたものです。(有効回答数320人)
※記事の内容は2024年1月の情報で、現在と異なる場合があります。

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