不妊治療をへて45歳での出産は壮絶!産後は不調続きで回復までに1年も…【美容系YouTuber・あいり】

40代の美容系YouTuberとして活躍する、あいりさん。人気の「1分メイクチャレンジ動画」シリーズなどで見せる飾らない姿といつも明るい笑顔で、同世代女性の共感を得ています。プライベートでは、2歳になる息子さんのママ。5年間の不妊治療、そしてその間には2度の流産を経験するなど、さまざまな困難を乗り越えての出産だったようです。今回は、45歳で迎えた初めての出産と、回復までに時間がかかったという産後の生活について聞きました。
全2回インタビューの1回目です。

スーパー戦隊シリーズでデビューした俳優・奥山かずさ。第1子の出産は自然分娩を選択するも、30時間の陣痛は痛みで記憶がない!?

夫が私の一番のファン。40代からの生き方に迷い、MCからYouTuber へ

YouTubeの動画を撮影中のあいりさん。

――YouTuberとして活動しながらの、日々の子育てについて教えてください。

あいりさん(以下、敬称略) 今、息子は2歳5カ月になり、 “大変”と“かわいい”が入り交じってるような感じです(笑)。うちの子は、少しおしゃべりがゆっくりめのようで、自分の感情をうまく伝えられないことがあるのですが、自我も芽生えてきて、子育てってなかなか難しいなと感じているところです。

日中、息子は保育園に行っているので、私はその間に動画の撮影や編集などの仕事をしています。でもそれだけでは終わらないので、夜や週末に仕事をすることも多いです。週末に仕事をする場合は、夫が息子の面倒を見てくれたりと、夫婦で一緒に子育てをしています。

――あいりさんがYouTuberになったきっかけを教えてください。

あいり 私はもともと、ずっと事務職として働いていました。40歳を目前にして手に職もなく、この先このままでいいのか…と迷っていたんです。そこで37歳のときにMCの勉強を始め、結婚式の2次会やイベントなどの司会をするようになりました。それと同時に、個人でブログを始めました。そのブログに、元々興味のあったメイクのことや髪の巻き方などを紹介していたのですが、写真ではうまく伝えられないなと思って、YouTubeに移行していきました。

あいりさんのYouTubeチャンネル『あいり』より。「子育て中、1分でメイクを完成させる」

出産前でもすでに30万人ほど登録いただいていたのですが、育児中、時短のために始めた「1分メイクチャレンジ動画」をきっかけに、さらにたくさんの方にフォローしていただくようになりました。

ありがたいことに、夫は私の仕事をとても理解してくれています。忙しいときは編集を手伝ってくれたり、撮影の合間に息子を外に連れ出してくれることも。夫が私の一番のファンでいてくれていると思います(笑)

高齢出産に加え、予想以上に大きかった息子…。とにかく地獄だった初出産

出産直後のあいりさんと息子さん。

――45歳で初めての出産を経験されましたが、どんな出産でしたか?

あいり 初めての分娩は地獄と天国が一気に来た感じでした。みなさんそうだと思うのですが、出産は想像をはるかに超えるほど大変でしたね。

とくに私の場合は45歳で初産ということで、産道や子宮口がかたくなっていたようで、なかなかお産が進まず、分娩時間が33時間もかかってしまいました。子宮口がかたいと難産になる可能性があるといった知識がまったくなく、出産まで何も対策をしていなかったんです。子宮口周辺をやわらかくするストレッチなどがあることを出産後に知って、やっておけばよかったなと思いました。

それから今回、無痛分娩を選んだのですが、その選択もお産が長引く要因の一つになってしまったようです。というのも麻酔を入れることで陣痛が弱まってしまい、その分余計にお産が長引いてしまうことがあるそうなんです。実際に私も麻酔を入れたら陣痛が弱まってしまったので、麻酔を一度はずして、また陣痛が強くなるのを待って…。分娩台の上で、一晩中陣痛の強弱を繰り返し、ずっと痛みに耐えるつらい時間でした。

さらに子宮口が1センチ開いた状態からなかなか進まなくなってしまったのもつらかったです。そこで始まったのが、子宮口を開きやすくするための“内診グリグリ”。これがとにかく激痛でした。子宮口が開くまで何度も何度もグリグリされ、2日目にしてやっと子宮口が開きました。

実は最後の健診で、赤ちゃんの推定体重は3000gぐらいと言われていたのですが、いざいきもうとするとなかなか赤ちゃんが出てこなくて、助産師さんが「この感じだと、3000gよりもっと大きい気がする!」とおっしゃっていて、実際に息子は3500gで生まれてきたので、推定よりもかなり大きかったです。

最終的に吸引分娩になったのですが、あまりにも赤ちゃんが出てこないので、先生たちもあせっている様子で。「次でいきましょう、次で絶対出しましょう」「とにかくいきんでください!」と声をかけられました。先生が私に馬乗りのようになって、何回もおなかを押すんです。目の玉が飛び出るかと思うほど、私も何度もいきみました。さらに馬乗りになられる苦しさもあり、「苦しいです〜、息ができないです〜」と叫び続けて…。その様子はまさに地獄絵図でした。

そうして本陣痛がはじまってから33時間、やっとの思いで赤ちゃんが出てきてくれました。

――生まれた瞬間はどんな気持ちでしたか?

あいり やっと会えた!という感情が大きかったですね。でも生まれてすぐに隣の部屋に連れていかれてしまい、一瞬心配になりましたが、赤ちゃんの泣き声が聞こえてきて。その瞬間に涙があふれ、うれしさなのか安堵(あんど)なのか大声で泣きました。

出産前に「自分が陣痛でつらいときは、赤ちゃんも頑張っている」と聞いたことがあって、陣痛中やいきんでるときはそのことだけを考えていました。なので、生まれてきたわが子に「よく頑張ったね!一緒に頑張ってくれてありがとう!」という気持ちでした。

出産直後、助産師さんが赤ちゃんを私の胸元に連れてきてくれて、一瞬抱っこができましたが、低血糖と黄疸(おうだん)の症状が出ていたので、すぐにNICUに入ってしまったんです。赤ちゃんがいない分娩室で私1人だけが残り、ついさっきまでの壮絶な出産が幻のように感じました。

それに加えて、出産した時に1.5リットルぐらい出血してしまい、絶対安静が必要でした。病室に戻れず、分娩室で点滴を打ちながらそのまま一晩過ごしたんです。丸2日間食事も水分もとれず、一晩中吐きけと戦いながらで体はボロボロでした。

実はこのとき、コロナ下真っただ中で、夫は立ち会うことができなかったんです。入院から退院までずっと1人きりで、とても寂しかったですね。

産後2カ月間ほどまともに歩くこともできず、不調続きで不安だった1年

乳児期の息子さんとあいりさん、そして愛猫も。

――産後の体調はどうでしたか?夫さんのサポートもあったのでしょうか。

あいり 私の場合は回復までに3カ月以上かかりました。中でも最初の2カ月ぐらいは、満足に歩けなかったほどです。出産もなかなかでしたが、今思えば出産後のほうがつらかったかもしれないです。スニーカーが履けないぐらい足がむくんだり、顔もパンパンになって、とにかく血流が悪くなっていたようです。あとは、腰痛やばね指が悪化してしまって、少し動くだけで常に痛みが伴いました。

出産後は、ありがたいことに夫がしっかりサポートをしてくれました。そこでパパとして育ったのかもしれないですね(笑)。新生児のころは、夜中3時間おきで授乳するときに、夫も一緒に起きて、ミルクをあげたりおむつを替えたりしてくれました。

やっと体が回復してきたなと感じたのは、産後1年たったころ。それまでに徐々に徐々に回復していった感じです。「このままだったらどうしよう」と悩んだぐらい、1年間はいろいろな不調が続きました。

体の不調は続いていたものの、メンタル面では急に泣き出したりといった不安定さはなかったので「意外と“産後うつ”にはなっていないかも」なんて思っていたんですが、今の精神状態と比べてみると、やっぱりあの時期は少し不安定だったかもと感じています。よくよく思い出してみると気分の波があったり、イライラもすごかったですね。

でも、長い間、不妊治療を経験してやっと授かった子なので、いろいろと大変なことはあっても息子を見ているだけで幸せでした。妊娠生活もずっと夢見ていたことだったので、つらいつわりの時期さえも幸せって思えたぐらいです。

お話・写真提供/あいりさん 取材・文/内田あり、たまひよONLINE編集部

45歳での初めて出産は、想像以上につらかったというあいりさん。産後の回復にも時間がかかり、精神的にも肉体的にも大変な時期だったそう。それでも、待望の第1子を授かった喜びを夫婦で分かち合いながら、YouTubeでの活動も続けてきました。
次回は、不妊治療についてや現在の子育てについて聞きます。

●この記事は個人の体験を取材し、編集したものです。
●記事の内容は2024年5月の情報で、現在と異なる場合があります。

あいりさん

PROFILE
動画クリエイター、YouTuber。「笑顔は伝染する」をモットーに、メイクやスキンケア、ファッション、ライフスタイル、お買い物などの動画を発信し、40代YouTuberとして活躍。YouTubeチャンネルのフォロワー数は61万人。現在47歳で、2021年に第1子となる男の子を出産。

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