【早出し】血液がんや心臓リハビリに理解深める 山形で第1回「県民健康講座」

血液がんや心不全・心筋梗塞の予防について学んだ県民健康講座=山形市・遊学館

 山形新聞、山形放送の8大事業の一つで、健康寿命延伸に向けて身近な病気や最新の医療を学ぶ「県民健康講座」の2024年第1回講座が9日、山形市の遊学館ホールで開かれた。山形大医学部と県医師会の医師が講師を務め、市民ら約200人が血液がんの診断・治療や心臓リハビリの有効性などに理解を深めた。

 開講式では佐藤秀之山形新聞社長が「SDGs(持続可能な開発目標)の一環として最先端の医療情報を提供し、人生を豊かにするための健康づくりのヒントとなってほしい」とあいさつした。永瀬智山形大医学部長、中目千之(なかのめちゆき)県医師会長、来賓の佐藤孝弘山形市長もあいさつした。寒河江浩二山形新聞会長・主筆(山形新聞グループ経営会議議長)、板垣正義山形放送社長、田瀬裕子県看護協会常任理事も出席した。

 同学部内科学第三講座教授の横山寿行氏が「血液がんをもっと知ろう~診断から最先端治療まで」、県立保健医療大学長の上月正博氏が「心不全・心筋梗塞を予防する東北大学方式 心臓リハビリの効果」と題してそれぞれ講演した。

 横山氏は急性白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫といった血液がんは、せき、息切れ、発熱などの風邪と誤認しやすい多彩な症状が現れるため、症状が継続する場合は速やかに受診・検査するよう勧めた。主な治療法となる抗がん剤投与では近年、正常な細胞へのダメージが小さい新薬が取り入れられ、治療成績が改善しているとした。

 上月氏は、心筋梗塞などの回復期にウオーキング、自転車といったリハビリを行う有効性が科学的に証明されていると紹介した。適切な頻度・強度で運動を継続し、持久力を高めることが寿命の延長に直結すると指摘し、「ローリスク、ローコストで取り組める最高の医療だ」と述べた。

 会場には県看護協会の協力で健康相談コーナーを設け、看護師が聴講者の血圧や握力の測定結果を基にアドバイスを行った。

 県民健康講座は山形新聞、山形放送、山形大医学部、県医師会、県看護協会が主催する。6年目となる今年の講座は、第2回(7月22日)を新庄市民プラザ、第3回(10月31日)を鶴岡市の出羽庄内国際村で開く。第1回の内容は16日付本紙で詳報する。

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