治療患者数、年間目標の600人達成 23年度、山形大重粒子センター

 山形大は9日、同大医学部東日本重粒子センターが2023年度に行ったがん治療の患者数が前年度比138人増の662人となり、本格稼働から2年目で年間目標600人を達成したと発表した。6月1日から新たに三つの疾患の治療に公的医療保険が適用されることも明らかにした。

 同センターでは、21年2月に1例目となる前立腺がん治療が行われ、22年10月から全部位が対象となった。27年度までに年間600人の治療患者数を目指すとしており、22年度は524人だった。

 662人の治療実績を部位別に見ると、開始当初から対象の前立腺が455人、肝臓が80人、すい臓が47人と続いた。患者の県別では本県が最多470人で、宮城83人、岩手28人など東北地方が大半。海外では韓国の患者が3人いた。

 岩井岳夫センター長は、県内では一定の知名度があるとした上で「安定運営に向け、治療数の拡大へ県外での周知に努める。海外からの患者受け入れの仕組みづくりにも取り組んでいる」と述べた。

 6月1日から保険適用の対象となるのは、早期肺がん、子宮頸部扁平(けいぶへんぺい)上皮がん、婦人科領域悪性黒色腫の治療。従来と合わせ11の疾患が対象となる。

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