ぐっすり眠れない、寝つきが悪い……、その睡眠不足は、もしかすると腸内環境が乱れているせいかもしれません。うんち博士こと辨野義己先生に、腸と睡眠の関わりについて3回に分けて教えていただきます。第3回は、最高の睡眠を手に入れる腸活習慣です。
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ぐっすり眠れるようになる、最高の睡眠を手に入れる1日の習慣とは?
腸活を取り入れた理想の過ごし方を紹介します。
「朝」の習慣
起床後、「朝日」を浴びて「白湯」を飲む
起床後は朝日を浴びて、セロトニンの分泌を活性化させましょう。夕方にはメラトニンが増え始め、夜は自然と眠くなります。また、朝一番に白湯を飲むと胃腸が目覚めて、便意も促されます。
決まった時間に自然なお通じ
早寝早起きのリズムができると、腸はスムーズに働き、決まった時間に自然なお通じがやってきます。リズムよく一日を過ごせれば、夜もぐっすり眠れて健かに暮らせます。
朝食をしっかりとったら活動スタート
夜ぐっすり眠るためにも、朝食はしっかり食べて一日をより活動的に過ごしましょう。心がけたいのは、具だくさんのみそ汁や野菜サラダなどの食物繊維。腸のぜん動運動のスイッチが入ります。時間がなければ、バナナ1本でもOK。
おすすめ! 辨野式スムージー
もともとヨーグルトの酸味が苦手な辨野先生が開発したヨーグルトスムージー。ヨーグルト200g、豆乳100㎖、バナナ1本にはちみつと抹茶を加えて、ミキサーにかければ、できあがり。
「昼」の習慣
便意はチャンス!すぐにトイレへ
便意をもよおしたら、すぐにトイレへ行きましょう。便意を我慢すると便が硬くなり、出づらくなります。タイミングを逃さず、すぐに出す、という繰り返しで腸内環境は整っていきます。
移動は階段を使う
通勤やお出かけのときの移動は、できるだけエレベーターやエスカレーターに頼らず、自分の足で階段の上り下りを。習慣化すると、よく腸が動いて便秘改善にもつながります。
ランチは食物繊維をたっぷり
朝食と同様、ランチも食物繊維をたっぷりとりましょう。理想は和定食ですが、コンビニ食でも組み合わせ次第で腸活ごはんに。辨野先生がコンビニで選ぶときは、ライ麦パンか全粒粉のパンに、多品目サラダをのせ、オリーブオイルをかけます。
「夜」の習慣
お風呂やストレッチでリラックス
就寝前の入浴は、副交感神経を優位にし、腸も活性化させます。湯船の中では、指で腸の流れる方向に沿って押す「腸もみ」をしてみて。腸から全身をリラックスさせられます。入浴後はストレッチを。
夕食は寝る2~3時間前に
食事をすると、腸はその後3時間、ぜん動運動を強いられます。よい睡眠のためには、寝る2~3時間前に食事は済ませましょう。どうしても夕食が遅くなりそうなら間食をとり、夜遅い時間に食べすぎないよう調整を。
1駅分歩いて帰る
一日の中でなるべく無理なく歩く時間を増やすなら、職場から帰宅するときは、1駅前で電車を降りて歩くとよいでしょう。程よく疲れて、布団に入ると、すぐに眠れます。
Q&A こんなときはどうしたらいい?
Q1 1日3~4回の排便は出すぎ?
1日に3~4回出るのは異常ではありませんが、それが軟便か下痢の場合は過敏性腸症候群の疑いがあります。理想の排便は1回に20㎝ぐらいの便が2~3本出ること。とはいえ、食べたら程よい硬さの便が出るなら問題ないでしょう。
Q2 40歳ごろから下痢が多くなりました。加齢が原因?
加齢も当然ありますが、アルコールの飲み過ぎやストレスも軟便や下痢の原因になります。腸を刺激するアルコールは、軟便や下痢を招きやすいので、飲み過ぎに気をつけましょう。精神的なストレスも腸内環境を乱すので、ストレスをためないように注意を。
Q3 排便時間がまちまち。忙しいときは出なくなるけど、気にしなくていい?
排便は毎朝あることが望ましいですが、どんなタイミングでも出すことが最重要。忙しいときはつい我慢しがちですが、便意をもよおしたらすぐにトイレに行くという習慣をつけましょう。そのうち安定して、決まった時間に排便できるようになるはずです。
Q4 旅行中はいつもまったく出なくなります。 下剤を使ったほうがいい?
便秘になると、腸へストレスがかかるので、下剤を使ってでも便は出したほうがよいでしょう。3日以上出なければ便秘なので、3日を目安に下剤を使いましょう。便秘は病気で、薬を飲んで治すという意識をもつことも大切です。
Q5 くさいおならは腸内環境が悪いせい?
悪玉菌はたんぱく質や脂質をもとに腐敗を起こし、悪臭を伴って有害な物質を分泌します。つまり、くさいおならは腸内に悪玉菌が増えている証拠。悪玉菌が発する有害物質は全身をめぐり、さまざまな部位で病気を発生させる可能性があります。腸内を整える対策を実践して。
Q6 便秘になると頭痛がします。何かの異常?
便秘をするということは、腸内で産生された有害物質が、腸管から吸収されて脳にめぐると考えられるので、便秘が頭痛を引き起こすことはあり得ます。腸内環境を整えて、しっかりと睡眠をとれば、便秘も頭痛も解消するでしょう。
※この記事は「健康」2024年春号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。