群馬の高校生が厚生相を訪ね提言 通訳配置、子宮頸がんワクチンの推進 山本知事の「メンター」役

和やかな雰囲気で提言する高校生

 高校生が知事の相談役となって助言する「高校生リバースメンター」事業の一環で、群馬県に住む高校生3人と山本一太知事は10日、東京・霞が関の厚生労働省を訪れ、高校生自ら考えた医療に関する提言を武見敬三厚労相に伝えた。

 3人は昨年度のメンターで、市立太田高3年の十河愛寧(そごう・あやね)さん、ぐんま国際アカデミー高等部3年の植松水歌子(うえまつ・みかこ)さんと大美賀悠衣(おおみか・ゆい)さん。十河さんは外国人が安心して医療を受けられるように医療通訳センターや推進・対策協議会の設置を求め、植松さんと大美賀さんは子宮頸(けい)がんワクチン接種率向上のため学校での接種を可能にするなどの提言をした。

 武見厚労相は「外国人との共生社会をつくるための大きな柱は保健医療。仕組み作りに協力していきたい」とし、「ワクチン接種率はまだ低いが、同世代の皆さんが働きかけてくれるとだんだん考えてくれるようになる」と述べた。

 訪問後、山本知事は「今後も厚労省と県で連携し、物事を進めていけると思う」と収穫を口にした。

 十河さんは「高校生でも社会を動かせると思ってくれたら良い」と活動が同世代の励みになることを期待。植松さんは「大臣に直接思いを伝えられて良い機会となった」と感謝し、大美賀さんは「今後のメンターも大臣に会いに行ってほしい」と話した。

 同事業は群馬在住在学の高校生を対象に、昨年度から実施されている。大臣訪問は提言を国の施策につなげてもらおうと企画された。県は17日まで、本年度の参加者を募集している。

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