西洋薬と漢方薬は「飲み方」が全然違う!「うわー、間違えてた」「今知ってよかった!」

「漢方薬には副作用がない、は本当?」「自己判断で飲んでも大丈夫?」。こんな疑問をもったことはありませんか?薬剤師の山形ゆかりさんが、漢方薬に関する基本的な注意点を教えてくれました。

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まず、漢方薬とはどのような薬なのでしょうか。

漢方薬と、その他の薬との違い

漢方薬とは、草や木、動物や鉱物といった自然にある生薬(しょうやく)を原料として作られた薬です。

2種類以上の生薬から構成されているものが多いため、ひとつの薬で色々な症状に対応できるものが多いのが特徴。

また、「検査や画像診断では原因が特定できないけれど、なんとなく不調」という状態を改善することにも向いている薬です。

体質がからんだ病気にも効果を発揮し、「不調を治す」のではなく、「不調が起きづらいからだ作りを目指す」ことも期待できます。

一方、頭痛や生理痛の際に服用する「バファリン」や、花粉症の際に服用する「アレグラ」などを「西洋薬」と呼びます。

西洋薬は人工的に合成された化学物質で作られたものが多く、「頭痛を治したい」「咳を鎮めたい」といったひとつの症状に強い効果を発揮します。

そのため、病気の原因が明らかな場合や、緊急性を要する疾患に多く用いられる薬です。

「漢方薬に副作用はない」は本当?

漢方薬は、西洋薬と比べて副作用が緩やかだといわれていますが、決して副作用がないわけではありません。

服用の際は、医師や薬剤師に相談してからにしましょう。

漢方薬を飲むタイミングで適切なのは?

漢方薬は決められたタイミングで、水または白湯(さゆ)で飲みます。

薬効成分が吸収されやすいように食前(食事の前30分~1時間)、食間(食事を終えてから2時間後)に服用するよう指定されているものが多いですね。

西洋薬は食後に服用するものが多いため、漢方薬の服用を忘れてしまう人もいます。飲む時間を決めたりアラームを設定したりして、飲み忘れないように工夫しましょう。

飲み忘れてしまった場合は、食後の服用でも構いません。ただし、2回分を1度に飲むことは控え、1回分の用量を服用してください。

漢方薬と他の薬との併用は?

漢方薬と西洋薬、あるいは2種類以上の漢方薬を服用する際には注意が必要です。

2種類以上の薬を同時に服用する場合、薬の効果が期待通りにあらわれなかったり、逆に効果が強くなりすぎたりするリスクがあります。

カンゾウ、マオウ、ダイオウ、ブシが含まれる漢方薬には、とくに注意しましょう。

漢方薬に限らず、2種類以上の薬を併用する場合は、医師や薬剤師に相談してから服用するほうが安心です。

漢方薬とサプリメントとの併用は?

漢方薬の生薬と鉄分が反応する場合があるので、鉄剤や鉄分を含むサプリメントとの併用は避けましょう。

その他にも、生薬を含む健康食品やサプリメントと併用することで、薬効成分の過剰摂取となる恐れがあるので注意してください。

常備すると便利な漢方薬

漢方薬を服用することで、今あるからだの不調を改善できるだけでなく、健康を維持して体調不良になりにくいからだ作りにもアプローチすることができます。

「今まで漢方薬を飲んだことがない」という人に、常備しておくと便利な漢方薬をご紹介します。

・葛根湯(かっこんとう):からだを温め、血行を促進する効果があります。初期の風邪で起きる頭痛、発熱や肩こりに用いられます。

・五苓散(ごれいさん):余分な水分を体外に排出し、水分代謝を整えます。飲みすぎによる二日酔いや、乗り物酔いに用いられます。

・補中益気湯(ほちゅうえっきとう):胃腸の機能を高めることで気力を充実させます。食欲不振、術後の体力回復、疲労倦怠感に用いられます。

このような漢方薬を服用することで、日々感じているからだの不調が改善することもあるでしょう。

ただし、前述の通り、漢方薬を飲む際には他の薬やサプリメントとの飲み合わせや、漢方薬の副作用を考慮する必要があります。

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あんしん漢方

監修/山形ゆかり:薬剤師・薬膳アドバイザー。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。

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