野菜の味引き出す無添加クッキー ザクザクの食感人気 群馬・高崎市のグティ

カラフルなパッケージが目を引くクッキーを紹介する関口さん

 企業や自治体のブランド開発を手がけるグティ(群馬県高崎市中尾町、関口稔社長)の菓子製造部門「anpontan(アンポンタン)」が、地元産の野菜を使った「高崎野菜のおかげですクッキー」を製造している。関口裕子さん(42)が高崎観光協会の補助事業「高崎銘菓・名産品開発事業」で開発。無添加で卵やバター、白砂糖不使用で焼き上げたクッキーは、野菜が苦手な子どもや健康に気を付ける人にも好評で、昨年4月の発売から約3600個を売り上げた。

 同事業は、高崎産の野菜や果物を活用した新しい菓子などの開発に取り組む。商品化に当たり、協会が開発費などを補助する。

 クッキーは、通年販売のホウレンソウ、トマト、夏限定のタマネギ、秋限定のサツマイモ、カボチャの5種類。商品名には生産者への感謝の気持ちを込めた。

 野菜の味をいかに引き出すかを考え、素材ごとに調理方法を工夫し、高崎産の小麦「高崎小麦ジェンヌ」を使用した生地に練り込んだ。ザクザクとした食感が特徴で、細長いスティック状で手軽に食べられる。

 人気が高いホウレンソウ味には、無農薬栽培のホウレンソウやエゴマを使用。エゴマを栽培するこまつ農縁(同市箕郷町)の小松茂樹さん(51)は「こだわりと愛情を持って素材を使ってくれる。新しい食べ方の提案やPRにも役立っている」と受け止める。

 アンポンタンは、子どものころから菓子作りが好きだった関口さんが、デザイン事務所を経営する夫の関口社長に背中を押され、2014年に事務所内に開業した。販売店を持たない形でホールケーキを予約制で作り始め、17年から素材の良さを生かしたクッキーを提供する。「素材を探して一番良いと思うものが有機だった」と、食品添加物を使わないクッキー作りを続けている。

 関口さんは「クッキーを通して生産者の活動を応援しながら魅了を伝えていきたい。素材をより良く伝える責任があると感じている」と話す。

 1袋550円。同市の大型商業施設「高崎オーパ」のアンテナショップ「高崎じまん」や「スーパーまるおか」(同市棟高町)で販売。開業10周年を機にブランド一新を予定している。問い合わせはアンポンタンホームページへ。

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