こんにちは♪リビングふくおか・北九州Web地域特派員のみずぽんです。
今回は福岡在住の美術家・いわさじゅんこさんにインタビューさせていただきました。今年発売された新作絵本『トッペのオノマトペ』の制作秘話をお聞きしましたのでご紹介します。
オノマトペってご存知ですか?オノマトペとは、自然界の音・声などを言語の音で象徴した語(擬態語・擬声語・擬音語などを総称したもの)。「星が『きらきら』して見える」の「きらきら」がオノマトペです。
この絵本は二次元バーコードを読み込むと、9言語(日本語、韓国語、中国語、英語、オランダ語、ドイツ語、タイ語、フランス語、スウェーデン語)の音声で聴くことができます。日本以外の国でも、オノマトペがあることが興味深くて、新感覚の絵本に驚きました。それと同時に、同じ風景でも、表現する音が違うので、同じものを見ていても見え方が違うのかな?と、その違いを楽しめる絵本になっています。
いわささんは、様々な国で個展をされており、9言語はいろいろな国の友達にご協力いただいて、制作されたそうです。
ぜひ多くの方に手に取っていただき、絵の美しさと、ことばの面白さについて体験していただきたいです。
制作のきっかけは何ですか?
制作のエピソードは何ですか?
表紙・扉などを残し、やっと2023年7月に出版しようと思っていた矢先、前月に韓国チェジュ島の崖での転落によるケガで、緊急手術・長期入院をしました。9言語ボタンは、入院中にアイディアがひらめき、右手が全然使えず、左手と携帯で作ったものです。また、タイトル文字デザインも左手と携帯で制作しました。
音声をつけたきっかけを教えてください。
コロナ禍で諸外国との往来が制限されている時に、タイで私の個展が企画されました。テーマは『国境を超えるアートと言語・日本文化』。コロナも大変な時で、結局当日は事前に送ったビデオを大画面に流し、タイと日本をリモートで結び、タイのたくさんの先生がたや学生さん達の協力のお陰で、素晴らしいワークショップができました。この頃から、ICTの便利さを身に沁みて感じました。
リビング読者へメッセージをお願いします。
この本は小さなうさぎのトッペが夢の中で不思議な花の国に冒険に行き、逞しく生きる植物世界を見て、四季を通していろいろなことを経験し、最後は皆で一緒に水送りのお祭りをするというストーリーです。眠っている間に、ひとまわり成長したトッペは、またいいことがありそう!と明日に向かい歩いていきます。森の動物、植物、光、風、大地、水—そして人間、全ての調和とバランス、循環が大切というメッセージです。それは、自然の調和とミラクルが共存する姿です。
言語のリズムに興味を持ち始めた子どもや、日本語を学びたい外国の方、外国語に興味を持つ日本人のみならず、この本が世界中の言葉への興味の扉になってくれれば幸いです。
そして若い時に、いろんな体験・経験をし、広い視野を持つことは将来何をするにも役立つと思います。
いわさじゅんこさんプロフィール
大阪教育大学美術学科卒業、1981~1985年Palo Alto, CA及びithaca, NY滞在。
帰国後は福岡市に在住し、紙による2D ・3D の作品を国内外で発表し、活躍中。
日本美術家連盟会員、日本建築美術工芸協会会員。
「イサカの四季」「作品集」など出版され、「トッペのオノマトペ」は4冊目の作品です。
これからも、いわささんの作品がたのしみです♡
トッペのオノマトペ ―花と音のふしぎな世界―
Toppe -wonder flower and onomatopoeia-
著者 いわさじゅんこ
出版社 : ポエムピース
ISBN978-4-908827-82-2
定価2640円(本体2400円+税)