長崎ヴェルカファン感謝祭 3905人が選手らと交流

ファンの声援にハイタッチで応える長崎ヴェルカの選手たち=県立総合体育館

 バスケットボール男子Bリーグ1部(B1)の長崎ヴェルカは11日、長崎市の県立総合体育館で「超VELCAファン感謝祭」を開き、さまざまな企画を通して選手やスタッフが集まった3905人のファンとの交流を楽しんだ。
 日頃の応援への感謝を込め、コロナ禍が明けた昨季からシーズン後に開催している。イベントは試合さながらにヴェルカチア&ダンサーズのパフォーマンスからスタート。選手らは音楽に合わせ、観客とハイタッチをしながら入場した。
 紺組主将の前田健滋朗監督、白組主将のヴァジェリス・ジアコスアソシエイトコーチが「会場を笑いの渦に包み、全員でトゥゲザー(一体感)を体現する」と選手宣誓。選手たちは玉入れやフリースロー、来場者参加型の借り物競争など「4番勝負」を繰り広げた。ヴェルカについての問題に選手らが回答する「ヴェルテスト」では、佐世保市出身の髙比良寛治選手が長崎県の地図を間違えるハプニングも起き、会場の笑いを誘った。
 選手たちは休憩時間に会場を回って観客と写真撮影するなど、精力的にファンサービス。長崎市の会社員、中村妙高さん(23)は「こんなに選手を身近に感じられるとは思ってなかった。ますます応援したくなった」と声を弾ませていた。
 最後に伊藤拓摩社長兼ゼネラルマネジャーがあいさつ。「苦しいシーズンだったが、ファンの声援で最後まで戦い抜くことができた」と感謝し、続けて「長崎をさらに盛り上げて、ファンにわくわくを届けたい」と来季の飛躍を約束した。

◎「自分を成長させてくれた」 5季ぶりBリーグでプレー 馬場雄大(28)

 昨年9月、長崎ヴェルカに“電撃加入”した日本代表の馬場雄大(28)が11日、ファン感謝祭を前に会見を開き、今季を振り返って「ヴェルカが自分を成長させてくれた」とクラブへの感謝を口にした。

今季を振り返り、パリ五輪に向けて意気込みを語る馬場=県立総合体育館

 馬場はA東京でBリーグを連覇した後、2019年から4年間、米国と豪州で海外挑戦。昨夏のワールドカップ(W杯)で日本代表の一員としてパリ五輪切符獲得に貢献し、直後にヴェルカ入りを発表した。W杯で活躍した選手の5季ぶりの国内復帰はBリーグを大いに盛り上げた。
 B1昇格初年度だったヴェルカにとってもスター選手の加入は大きく、期待に応えるように馬場は持ち味のドライブと精度の高い3点シュートを武器にチーム2位となる1試合平均14得点をマーク。「ボールを多く持たせてもらうことで技術が上がり、エースとして精神面でも責任と自覚が芽生えた」と自らの成長を実感していた。
 来季はどのクラブに所属するのか、去就が注目される中「ヴェルカで働いているスタッフやファンの気持ちは、今までのB1にない雰囲気を持っている。このままのスタイルで突き進んでほしい。(ヴェルカスタイルという)軸があれば数年でB1優勝も達成できる」と力を込めた。
 今夏のパリ五輪に向けては「長崎で一日一日を過ごし、一日も無駄にすることがなかった。費やしてきた時間、成長したものを全てぶつけたい」と意気込んだ。

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