初代PlayStationエミュレータ「Gamma」がApp Storeに登場。iPhoneおよびiPadに対応

Image:ZodTTD

先月初め、アップルがゲーム機エミュレータのApp Storeでの配信を公式に解禁。直後に登場した任天堂レトロハード・エミュレータ「Delta」が全世界ランキングのトップに躍り出ていたが、それに続き初代PlayStationエミュレータ「Gamma」が配信開始された。

本アプリには当初からiPhone版とiPad版があり(DeltaはiPad版を準備中)、Bluetoothコントローラーとキーボードに対応しているほか、画面上のコントローラースキンをカスタマイズ可能。Google DriveとDropboxを通じて、ゲームファイルとステートセーブ(途中セーブ)も同期できる。また各ゲームのカバーアートも自動で取得してくれる。

非常に有りがたいことに、Gammaは初代PSのBIOSファイルが不要である。とはいえ、少なからずのゲーム動作に支障が出ていると報告されており、米AppleInsiderは「いくつか実行上の問題がある」とコメント。The Vergeも『NASCAR 98』と『Shrek:Treasure Hunt』を動かすのに苦労したと述べている。

注意事項としては、本アプリがユーザーを追跡できる識別子を収集し、位置情報と使用データを取得する可能性があることだ。もちろん、「アプリにトラッキングしないように要求」を選ぶことも可能である。

開発者のZodTTDことBenjamin Stark氏は、2008年にiPhone用のTurboGrafx-16(PCエンジン)、2010年にSNES(スーパーファミコン)エミュレータを送り出したベテランである。そして2011年に初代PSエミュレータ「PSX4Droid」をAndroid Market(Google Playの前身)で削除された後、コードをオープンソース化していた。

The Vergeに対し、Deltaの開発者Riley Testut氏は「(実際のPSエミュレータ本体を除き)Deltaのコードをベースにしている」とコメント。さらに「ZodTTDは私の完全な許可を得ている」としつつ、Stark氏が「そもそも私がエミュレータの開発を始めた理由だ」と付け加えている。

もともとDeltaの前身だった「GBA4iOS」も、Stark氏が作成したgpSPhoneからコードを借用したものだ。そのgpSPhoneも、別の開発者が作成したAndroid用エミュレータgpSPを(作者の許可を得て)ベースにしているとのこと。つまり、エミュレータ界わいの伝統が受け継がれているわけだ。

© 株式会社 音元出版