【オークス/危険な人気馬】前走桜花賞組の人気一角は“消し” 「馬券内率9.3%」の壁クリアが困難な2つの理由

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今週は、牝馬クラシックの二冠目、第85回オークス(GI、芝2400m)が東京競馬場で行われる。

今年は二冠牝馬を目指す桜花賞馬ステレンボッシュが断然の主役。これに続くのが桜花賞3着のライトバック、4着のスウィープフィートら距離延長で逆転を目論む桜花賞敗戦組のメンバーだ。さらに別路線からは、忘れな草賞を制したタガノエルピーダ、フローラS覇者のアドマイヤベルなどが頂点を狙う。

そんな中、桜花賞8着から巻き返しを期すクイーンズウォークが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。

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■負けすぎの桜花賞……500キロ超えの大型馬の好走例なし

デビューから3戦、上がり3F33秒台の決め手を繰り出し、クイーンCでの豪快な勝ちっぷりから、桜花賞では3番人気に支持されたクイーンズウォーク。しかし、本番では中団からその爆発的な末脚は影を潜め、内めで窮屈なレースを強いられた影響もあり8着に敗れた。

引き続きリーディングジョッキー川田が手綱を取り、東京コースでの勝ちっぷりや、距離が延びて良さそうな血統背景を考えると、逆転候補の一角として人気を集めそうな印象だが、今回のオークスでは厳しい戦いになると予想する。

まず、過去10年のオークスにて前走桜花賞組の勝ち馬は7頭。そのすべてが桜花賞で3着以内に入っていた馬で、桜花賞で4着以下に敗れた馬がオークスで巻き返して勝利することは極めて厳しい。さらに6着以下に敗れた馬の成績は【0.1.3.39】で、馬券圏内に入るのもかなり難しいと言える。

また、近年は馬体が大型化の傾向にあるが、過去10年のオークスで勝利した10頭の馬体重は420~479キロと、スマートな体型の馬に好走例が集中している。一方、500キロ超えの馬は【0.0.1.8】と、2014年3着バウンスシャッセの好走例があるのみ。前走514キロだったクイーンズウォークにとって、オークスで好走するためには馬体重が大きな壁となるだろう。

クイーンCの勝ちっぷりが評価されているクイーンズウォークだが、当レースで破った2着アルセナールや3着ルージュスエルテなど、その後の出走レースで結果がひと息な点を考慮すると、そこまでレベルの高い一戦だったとは言えない印象がある。桜花賞敗戦組から、ステレンボッシュの対抗馬として支持を集めそうなクイーンズウォークだが、過去の傾向に照らし合わせると信頼度は低く、今回は思い切って「消し」でいきたい。

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◆著者プロフィール

石川豊●いしかわゆたか
20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。

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