火星探査の世界大会出場 富山高専・小津さんら、米で29日から 国際学生チームに参加

世界大会を前に意気込みを語る小津さん=富山高専本郷キャンパス

  ●生命調査部門「優勝を」 

 富山高専の小津輝虎(しょうづてるたけ)さん(18)ら3人が所属する学生の火星探査機開発チームが、29日から米国ユタ州で開かれる探査機の世界大会に初出場する。日本のほか、米国、インドの学生も参加する国際チームが出場するのは初めてであり、サイエンスチーム副リーダーとして開発に加わった小津さんは、「新しいことに挑戦でき、ワクワクしている。初出場だけど優勝したい」と意気込んでいる。

 物質化学工学科4年の小津さんは、学生主体で宇宙開発に挑む国際チーム「KARURA Project(カルラ プロジェクト)」に所属する。富山高専のほか、東大、東北大、早大、米国ではジョージア州立大などから46人のメンバーが参加し、オンライン会議や実証実験を重ねて火星探査機を開発してきた。

 学生が開発した探査機の性能を競う世界大会「ユニバーシティ・ローバー・チャレンジ(URC)」に初めてエントリーし、104チームの中から書類・動画審査を通過し、本戦に出場できる38チームに選ばれた。

 世界大会は、ユタ州砂漠地帯の火星砂漠研究所「MDRS」を会場に、29日~6月1日の4日間で実施される。▽生命の存在がないか調査する「サイエンスミッション」▽探査機を効率よく操作する「機器整備ミッション」▽火星を想定して荷物を運ぶ「配達ミッション」▽短時間で目的地へ向かう「自動走行ミッション」の4項目で性能を競う。

 小津さんはサイエンスミッションの副リーダーを務め、顕微鏡や分光器を用いた調査の実証実験を中心になって進めた。

 中学生のころから宇宙飛行士を志している小津さんは、人間が地球外で生きるための技術開発や生命の起源を研究したいという夢があるという。「高専で学んでいる化学の知識を夢である宇宙分野の開発に生かせるのはうれしい」と話した。

 富山高専からは小津さんのほか、物質化学工学科2、4年の2人もチームに参加している。担任の間中淳博士は「この勢いで夢に向かって駆け抜けてほしい」とエールを送った。

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