森(金沢学院大ク)パリ決定 トランポリン女子・2大会連続五輪「自分に正直に、頑張りすぎず頑張りたい」

 「自分に正直に、頑張りすぎず頑張りたい」。トランポリン女子の森ひかる(24)=TOKIOインカラミ/金沢学院大クラブ=が、2大会連続となる五輪出場を決め、今夏のパリ大会への意気込みを語った。12日、前橋市内で開かれた選考会を制し、代表の1枠をつかみ取った。2021年東京五輪はメダルを期待されながらも予選落ち。パリに向け「全ての気持ちを楽しんでいきたい」と語り、自然体で臨む姿勢を強調した。

  ●両手で「ハート」

 悔しさにむせび泣いた3年前の姿はなかった。五輪代表選考のための「トランポリン・グランドチャンピオンシップ(TGC)」が開催されたヤマト市民体育館前橋。演技を終えた森は、両手で頭の上にハートマークを作り、客席に笑顔を向けた。1位で代表の座を勝ち取り「五輪でもやることは変わらない」とリラックスした表情で話した。

 3人が出場した女子は、森が111.450点で1位となり、東京五輪代表の宇山芽紅(めぐ)(スポーツクラブ テン・フォーティー、金沢学院大OG)は109.000点で2位、佐竹玲奈(プリモ、かほく市出身、星稜高OG)は108.550点で3位だった。

 東京五輪では重圧から自分の演技ができず、13位で予選敗退。引退も考えたが、「結果ではなく、楽しんでやってみたい」と現役続行を決めた。しばらくは東京で練習を積み、昨年11月の世界選手権後、丸山章子日本体操協会女子強化本部長(金沢学院大スポーツ科学部教授)の指導を受けるため、金沢に拠点を移した。

 五輪への意気込みを問われた森は「東京五輪後にたどってきた道には自信がある。自分を信じています」と力強く語った。

  ●男子は西岡初代表

 男子は、伊藤正樹コーチ(金沢学院大OB)に指導を受ける20歳の西岡隆成(近大)が代表の1枠を初めてつかんだ。西岡と石川和(やまと)(ヒロセホールディングス、金沢学院大OB)、堺亮介(バンダイナムコアミューズメント、金沢星稜大OB)、宮野隼人(金沢学院大ク)の計4人が争った。

 1位は118.990点の石川、2位は118.550点の堺で、西岡は117.980点で3位だった。ただ、日本に五輪枠をもたらした選手に与えられるアドバンテージが適用され、過去の大会の最高得点121.680点がTGCの得点に置き換えられ、トップとなった。4位の宮野は70.610点だった。

 石川県勢でパリ五輪代表に選ばれたのは森が4人目となる。

 ★森 ひかる(もり・ひかる)金沢学院大附属高、金沢学院大出身。2013年全日本選手権を史上最年少の14歳で制覇。世界選手権個人では19年に日本勢で男女を通じて初めて優勝し、22年も制した。21年東京五輪は予選敗退。24歳。東京都出身。

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