「iOS 17.5」配信、ついにAirTag以外の“不審なBluetoothトラッカー”の警告に対応

Image:Apple

アップルは5月14日未明に配信開始したiOS 17.5にて、ついに自社製のAirTag以外の「ユーザーのものではないBluetoothトラッカー」に対する警告機能を実装した。

iOS 17.5/iPadOS 17.5では、ユーザーは自分が所有しないBluetoothトラッカーが一緒に移動している場合、そのトラッカーがペアリングされているOSに関係なく警告を発するようになった。AirTagや「探す」対応アクセサリーだけでなく、DULT規格を使うすべてのBluetoothトラッカーにも動作する。

アップルはプレスリリースで、iPhoneユーザーが警告を受け取った場合は「他の誰かのAirTag、Find Myアクセサリ、またはその他の業界仕様互換のBluetoothトラッカーが一緒に移動していること」を意味すると説明。

さらにiPhone上で「トラッカーの識別子を表示し、トラッカーに音を鳴らして位置を特定したり、指示にアクセスして無効にしたり」が可能だと述べている。

これはGoogleと共同で作成したBluetooth追跡デバイス向け業界規格「Detecting Unwanted Location Trackers(不要な位置情報トラッカーの検出/DULT)」に基づくものだ。iOSとAndroid、プラットフォームの垣根を越えて「不要な追跡」=ストーキング等を防ぐことを目指し、昨年5月から意見を募集していた

Googleも4月初め、Android向けに強化した「デバイスを探す(Find My Device)」ネットワークの提供を開始。対応BluetoothトラッカーはDULT規格に準拠しており、iOS 17.5の不要なトラッカー検出でも動作する見通しだ。

アップルはAirTagを発売した際に、iOSに不審な追跡を警告する機能を組み込んだが、Androidスマートフォンは対象外だった。同社によるAndroid向け検出アプリを提供したのは、数か月後のことだ。

かたやGoogleも、昨年夏から不要なAirTagを検出するアラート機能をAndroidに展開。そしてアップルと共同でDULT規格を作成し、同時に強化版の「デバイスを探す」ネットワークを発表したものの、すぐに無期限の延期。「iOSの保護が実装されるまで待つ」つまりアップルの作業が遅れていると示唆していた。

すでにChipoloとPebblebeeは対応製品を発表済みであり、まもなく発売予定だ。サムスンやTile、eufy Securityも規格への支持を表明しており、iOS・Androidともに準備が完了したことから、今後は次々とストーカー対策済みのBluetoothトラッカーが登場することだろう。

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