元世界1位マレー、復帰を前に長年愛用したラケットを変更か。シーズン中のテストは異例

マレー、グランドスラム3勝したHEADのラケットからヨネックスに変更か

今週からフランス・ボルドーで開催されるATPチャレンジャーでの復帰に向け準備を進める元世界ランク1位のアンディ・マレー(イギリス/世界ランク77位)は、5月13日に自身のSNSを更新。新たに「YONEX」のラケットを手にプレーしている動画を投稿した。

15日に37歳を迎えるマレーは、今年2月のATP500ドバイで「夏を過ぎたらあまりプレーするつもりはない」と今夏での引退を示唆。さらに、3月のATPマスターズ1000マイアミで左足首の靭帯断裂と苦しいシーズンを送っている。

しかし、最後まであきらめずに勝利を追求するのがマレー。キャリア終盤のこの時期に自らを追い込み、新ラケットをテストし100%の力を発揮しようとしているのだ。

キャリアを通じて「HEAD」のラケットを愛用し、3度のグランドスラム制覇を成し遂げたが、インスタグラムに投稿された動画では「YONEX」を使用。これにマレーはハートマークを添えてストーリーズに投稿し、母国イギリスメディアは新ラケットで試合に臨むと報じている。

ツアーで戦う選手にとってラケットの変更、まして他社メーカーのラケットとなれば一大事。ステファノス・チチパス(ギリシャ/同8位)は、ラケット変更について「年末になればいろいろ試してみたりするものだが、シーズン中は絶対にしない」とマレーのラケット変更がよほどのことだと言う。

また、女子世界ランク1位のイガ・シフィオンテク(ポーランド)もオフシーズンに試す機会はあったものの最終的にラケットのスペックは変わらず。「大事な場面で自分を助けてくれる最高の用具を見つけるために、それについて考えるのも私たちの仕事の一部」と述べ、勝利を追求するために考えなければならないことの一つだとした。

今回の新ラケットのテストは、まさにマレーにとって勝利を追い求めている表れだろう。素晴らしいキャリア最後の数ヵ月となる可能性でどのようなプレーを見せてくれるか楽しみだ。

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