バンダイ ガンプラ「武者ガンダム」販売へ 日光東照宮所蔵・家康着用と伝わる甲冑モチーフ

27日から日光東照宮で先行販売されるガンプラ「MG 1/100 武者ガンダムMk-Ⅱ 徳川家康南蛮胴具足Ver.」©創通・サンライズ

 栃木県日光市山内の日光東照宮が収蔵・展示する、徳川家康(とくがわいえやす)が着用したと伝わる甲冑(かっちゅう)「南蛮胴具足(なんばんどうぐそく)」をモチーフにしたガンダムプラモデル(ガンプラ)が販売されることになった。「日光の社寺」世界遺産登録25周年を記念した企画で、玩具メーカー「BANDAI SPIRITS」(バンダイスピリッツ、東京都港区)が14日発表した。26日に奉納式を行い、27日から日光東照宮内で先行販売される。

 販売されるガンプラは「MG 1/100 武者ガンダムMk-Ⅱ 徳川家康南蛮胴具足Ver.」。世界遺産登録25周年に加え、同市内の小学校でガンプラ工作を通じた課題解決学習が行われていることもあり、同社が「プラモデルを生かした地域創生の取り組み」として製作した。

 完成品の高さは約19センチで、価格は7700円。東照宮の南蛮胴具足の特徴的な黒と赤の色使いのイメージを再現し、赤は和紙素材のシールで表現しているという。当面、日光東照宮の御神酒(おみき)授与所で先行販売した後、バンダイナムコグループのオンラインショップなどでも販売される予定だという。

 南蛮胴具足は安土桃山時代以降、武将の着用が広まった。火縄銃の普及に伴い銃弾にも耐えられるよう西洋様式が採り入れられたもので、伝統的な胴具足と比較し実戦的であることが特徴。日光東照宮の収蔵品は家康が関ケ原の戦いで着用したと伝えられ、重要文化財に指定されている。

 家康をモデルにしたガンプラは、若い頃に身に着けていたとされる「金陀美具足(きんだみぐそく)」をモチーフにしたものが久能山東照宮(静岡市)などで販売された例があるが、日光東照宮では初めて。

 日光東照宮の稲葉尚正(いなばたかまさ)権宮司は「世界遺産登録25周年をきっかけに家康公ゆかりの南蛮胴具足を広く知っていただく機会を得ることができ、大変ありがたい」と話している。

徳川家康が着用していたと伝わる「南蛮胴具足」(日光東照宮提供)

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