水田に映る「七色樫」が新緑期 のどかな山里の風景に彩り/岡山・鏡野町

岡山県苫田郡鏡野町羽出の県指定天然記念物・七色樫の葉が、新緑期を迎えて鮮やかな黄色に変わり、のどかな山里の風景に彩を添えている。

だいだい色から黄色へと変化する葉

木はウラジロガシの一種で、高さは16メートルで、推定樹齢350年以上。赤、だいだい、黄、黄緑、緑、青緑、濃い緑と1年を通じて7回も葉の色が変わることから「七色樫」または「虹の木」と呼ばれ、地域に親しまれている。町教委によると、とり木、挿し木をしても同様のものが育たず、変色する原因も不明という。

周囲には田んぼが並んでおり、5、6月は鏡のように水田に映り込む「逆さ樫」が楽しめる。14日は快晴で、田植え機がせわしなく動く姿が見られた。

近隣に住む農業・安藤章一さん(68)は「七色樫が黄色くなったら田植えを始める時期になる。木は自分の日常の中にあり、色の変化で季節の変わり目を感じている」と話していた。

のどかな山里を彩る七色樫

© 津山朝日新聞社