収穫量が減少し続けている神埼市の特産品「和菱」の生産拡大を目指す西九州大の学生3人が取り組んだクラウドファンディングで、目標の400万円を大きく上回る約577万円が集まった。経費などを差し引いた約230万円を、収穫量減少の原因を解明するための調査や企業と連携した商品開発、菱の認知度向上のためのイベント出店に活用する。
健康栄養学科4年の樺嶋颯明(そうあ)さん(22)、仲田昂右(こうすけ)さん(22)、池田圭佑さん(21)が、市のふるさと納税制度を活用した「ガバメントクラウドファンディング(GCF)」で資金を調達した。昨年12月から2月末まで実施し9日、神埼市役所で贈呈式が開かれた。
3人は商品開発などのほか、土地を借りて自分たちで菱を栽培することも計画している。樺嶋さんは「寄付金を活用して活動を拡大していきたい。若い人にも認知が広まるよう、魅力的な商品を生み出したいし、菱の生産も着実に行っていきたい」と意気込みを語った。
目録を贈呈した實松尊徳市長は「全国から寄せられた寄付を有効に活用していただき、これを契機に菱の生産がまた広がり、新たな市の特産品ができることを期待している」と話した。
3人は19日に佐賀市のSAGAアリーナで開かれる「SAGAものスゴフェスタ」で、開発した菱クッキーの販売や、菱の収穫に使うたらい船「はんぎー」に乗る体験などを行うブースを出店する。(樋口絢乃)