今年4月の京都、種子島並みの高温だった 温暖化の影響、カメムシも活発化

京都市で12年ぶりの4月の真夏日となり、川べりで暑さをしのぐ人たち(4月28日、京都市左京区・賀茂大橋付近)

 今年4月は、京都市で12年ぶりの真夏日を観測するなど異例の高温となり、京都市の月平均気温は観測史上1位を更新した。いったい、どれほど暑かったのか。過去の京都市や南日本の気温と比べると、進む温暖化が浮き彫りになった。

 気象庁によると、京都市中京区の4月の平均気温は、17.6度となり、1880(明治13)年の観測開始以来、最も高くなった。平年値(14.4度)に比べて3度以上も高く、17度台は1997年以来3度目。大津市(16度)と彦根市(15.3度)も過去最高だった。

 京都地方気象台によると、今年4月の京都市は、日照時間は平年並の91%だったが、日本海の低気圧や前線に向かって南から暖気が流れ込みやすくなり、気温が上昇した。長期的な温暖化や都市化も影響したとみられるという。

 府農林水産技術センターによると、アブラムシやコナジラミが野菜類に多く発生し、高温が一因とみられる。また、夜の気温が高いため果樹の害虫カメムシが活発化しているという。

 4月の平均気温17.6度は、どれほど高いのか。80年前(1944年)の京都市の平年値(15~44年平均)は、4月が12.2度、5月が約17.2度。今年4月の京都市は、当時の5月の平年値も上回る陽気だった。

 また、現在の南日本各地の4月平年値(91~2020年平均)と比べてみると、鹿児島市(17.1度)や宮崎市(16.4度)を上回り、九州の南東約40キロにある種子島(17.8度)に近い水準だった。大津市は、高知市(15.8度)を上回った。

 同気象台は2022年、温暖化の予測を公表した。対策が取られなかった最悪のシナリオでは、今世紀末に京都市の平均気温は4.3度上昇し、種子島をやや上回ると予想している。今年のような「暑い春」が、常態化する可能性があるという。

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