体を温めるナンバーワン食材とは?石原新菜先生がアドバイス

女性の約8割は冷え性だということを知っていますか? しかも年齢が上がるにつれて増える傾向があるとか。冷えとりカリスマ医師 石原新菜先生に、特に更年期の症状で悩んでいる女性に5回に分けてアドバイスをいただきました。最終回は体を温める食材と、冷えとりQ&Aです。

★シャワーだけの日に冷えないためには?★

体を温める食材をとろう

精製された白い食品や南国の果物に注意して

「昔に比べて、現代の人は体温が低い」と言いますが、その原因の一つが食べ物の変化です。精製された食品(白米、白砂糖、白いパンなど)を食べるようになり、冬でもトマトやきゅうりなどの夏野菜が食卓に並びます。スムージーには南の国でとれる果物を使いますよね。これらは体を冷やす陰性食品。冷え性の人は、できるだけ体を温める陽性食品をとるよう心がけてください。

冷え性の人がとるべき食品の代表は、しょうがです。漢方薬の7割に含まれている食材で、血管を広げて血流を改善するパワーがあるのです。私は、子どもの頃から毎朝にんじんりんごジュースを飲んでいます。にんじんは色が濃い根菜、りんごは北の果物、そこにしょうがを足せば無敵です。いちいちすりおろすのが面倒な人は、大量にすってジッパーつきの袋に平らに入れて冷凍すれば、必要な分だけポキッと折って使えます。

減塩のし過ぎも体を冷やすので、塩も適度にとりましょう。精製塩ではなく、ミネラルの豊富な自然塩を使ってください。また、食べ過ぎると全身の血液が胃腸に集中してしまうので、腹八分目に。

最大の味方はしょうが

しょうが紅茶

【1】しょうがを皮つきのまますりおろす。面倒ならチューブや粉末でもよい。
【2】温かい紅茶に、おろしたしょうが大さじ1くらいを入れる。チューブなら2cm。
【3】黒砂糖かはちみつを入れる。白砂糖やミルクは体を冷やすので使わない。

白湯にもしょうが

親指大のしょうがをすりおろして白湯に入れる。粉末のしょうがなら手軽に使える。

しょうが入り にんじんりんごジュース

ジューサーににんじん2本、りんご1個、しょうが1かけを入れて作る。この量で約3杯分できる。

体を温める食材って何?
●赤、黒、橙色など色の濃い食品
●冬が旬の野菜
●北でとれる野菜

\\あなたの声をお待ちしております// ↓↓をクリックしてアンケートへ
【読者アンケート実施中!】ハマっていることも、お悩みごとも、大募集!!

新菜先生に冷えとりQ&A

Q 健康のためには、1日2ℓの水を飲むといいというのは本当?

A 水はのどがかわいたときに飲むようにしましょう。

「体にいい」「デトックスになる」と考えてたくさん水を飲む人もいると思いますが、過剰な水分は逆効果になります。水分をとり過ぎると体に水分がたまる「水毒」の状態になり、体がむくむのはもちろん、冷えや内臓の機能低下を引き起こします。たとえるなら、内臓がびしょびしょの水着を着ている状態。体内に残る水分で、自分の体を冷やしてしまうのです。必要な水分量は人によって違います。水分は「のどが乾いたら飲む」ので十分です。

Q 最近、疲れやすいみたい。更年期と関係がありますか?

A 疲労改善は、質のよい睡眠をとることから始めましょう。

ホルモンバランスの問題もあるかもしれませんが、もしかしてしっかり眠れていないのではありませんか? 日本の40~50代の女性は、世界でもトップクラスの睡眠不足。眠らないと疲れはとれません。最低でも6時間、できれば7時間は眠りたいものです。

「隠れ貧血」の可能性もあります。貧血の基準になるヘモグロビン濃度に異常がないものの、詳しく調べると血液中の鉄(フェリチンなど)が不足している人もいます。検査してみて。

Q 湯たんぽの上手な使い方を教えてください。

A 寝るときはもちろん、それ以外でも使って!

睡眠時にはぜひ使ってください。人は体の中心の温度が下がるときに眠るのですが、冷え性の人は体温がうまく下がらないので、寝つけないのです。湯たんぽで布団や足元を温めて、いったん体温を上げると眠りやすくなります。明け方に目が覚めることも減りますよ。日中でも、太ももの上に湯たんぽを置くといいでしょう。太ももには毛細血管がたくさん通っているので、温まると血行がよくなり、全身に熱が行き渡ります。

更年期を乗り越え「黄金期」を楽しんで!

更年期の不調が続くと「もう一生こうなのか」と絶望的な気持ちになるかもしれません。でも、更年期を上手に乗り越えることができれば、元気いっぱいの60代を迎えられるはず。50代後半から70代前半の時期を、「人生の黄金期」と呼ぶそうですね。今のうちに冷え予防や運動習慣など、体をケアする方法を学べば「黄金期」の人生はきっと輝くはず。

※この記事は「健康」2024年春号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。


監修者
医師 石原新菜

いしはら・にいな
イシハラクリニック副院長。漢方医学、自然療法、食事療法により、さまざまな病気の治療にあたっている。親しみやすい人柄で、講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍中。日本内科学会会員。日本東洋医学会会員。著書に『やせる、不調が消える 読む 冷えとり』(主婦の友社)など多数。

© 株式会社主婦の友社