青森県内、ツキノワグマ出没注意報発令 4月の出没19件、平年の倍「クマに出合わない対策を」

県がホームページで公開している今年のクマ出没マップ。青色で示す目撃のほか、食害や人身被害を含めた出没情報を随時更新している(色を一部調整しています)

 青森県内でクマの出没情報が増えていることから県は15日、「ツキノワグマ出没注意報」を発令した。4月の出没件数が19件と過去5年平均(10.4件)の2倍近くに上り、発令基準の1.5倍を超えたため。1~4月までの累計は33件となり、年間の出没件数が過去最多だった昨年の同時期(25件)を上回るペースになっている。注意報の発令は2年連続で、発令期間は11月末まで。

 県自然保護課によると、県内で昨年に確認されたツキノワグマの出没件数は1133件(前年比838件増)で、人的被害も続発。クマの餌となるブナの実が大凶作だったことなどから秋以降も被害が拡大した。

 今年は積雪が少なかったこともあり、例年は出没が少ない1~3月にも計14件の目撃情報があった。夏ごろにかけて出没件数が増える傾向にあり、県は▽出没が確認されている場所には近づかない▽入山時は複数で音を出しながら歩く▽生ごみや野菜・果実の残さを適切に処理する-など、注意を呼びかけている。

 県はホームページ上で出没マップを公開し、目撃場所などの情報を随時更新。同課の辻健一郎総括主幹は「山に入る機会がこれから増えると思うのでクマに出合わないよう対策をお願いしたい」と話した。

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