U-23アジア杯での悔しさをバネに――。C大阪DF西尾隆矢は町田に敗戦も前を向く「一番手応えがあった試合だった」

セレッソ大阪は5月15日、J1第14節でセレッソ大阪と敵地で対戦し、1-2で敗戦。U-23日本代表の活動からクラブに戻り、1か月以上ぶりの出場を果たしたDF西尾隆矢は、自身のパフォーマンスに手ごたえを示した。

西尾は4月、大岩ジャパンの一員としてパリ五輪の出場権をかけたU-23アジアカップに出場。チームは大舞台への切符を手にし、アジア制覇を果たした一方で、自身にとっては、初戦の中国戦でレッドカードを受けて3試合出場停止となるなど、最後までピッチに立つ機会は少なく、悔しい大会となった。

「日本が優勝したことは素直にすごく嬉しかったですけど、ここまで悔しすぎる1か月間は本当に人生でもなかったかなと。本当に試合に出たいっていう気持ちがあったし、その悔しさもすごくあった」(西尾)

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7月に行なわれるパリ五輪のメンバーに選ばれるためにも、自クラブでのアピールは必須。町田戦に並々ならぬ思いを持って臨んだ22歳のセンターバックは、安定したプレーを披露した。同じパリ五輪世代の町田FW藤尾翔太、MF平河悠の鋭い仕掛けにも最後まで食らいつき、簡単にシュートを打たせなかった。

久々の出場でこれだけの判断力、出足の速さ、対人守備といった自分の長所を出せたのは、日々、C大阪でのプレーをイメージし、準備ができていたからだと西尾は語る。

「僕も数試合の中でも本当に一番手応えがあった試合だったと思う。期間が空いたと言っても1か月ちょっとぐらいなので、全然気にならなかった。僕は日頃から言ってるんすけど、常にいい準備をし続ける、やり続けることが大事。(小菊昭雄)監督も日常が全てというのは口癖のようにおっしゃっているので、久しぶりの試合に対しての不安はそこまでなかった」

試合には敗れたが、西尾はチームについても「自分たちは試合の入りもすごく良かったし、(得点の)チャンスも増えている」と振り返る。そのうえで、「敗戦は悔しいですけど、下向かずにやっていきたい」と前を向いた。

取材・文●手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

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