幻想的な「光彫り」の世界 ゆるかわふうさん企画展 6月末まで一支国博物館 長崎

作品について語るゆるかわふうさん=壱岐市、一支国博物館

 長崎県壱岐市芦辺町の市立一支国博物館で特別企画展「光の芸術家 ゆるかわふうの世界 宇宙(そら)の記憶」が開かれている。「光彫り作家」と呼ばれる芸術家ゆるかわふうさん(43)の幻想的な作品13点が楽しめる。6月30日まで(月曜休館)。
 ゆるかわさんは東京芸術大大学院修了。彫って凹凸を付けた建築用発泡断熱材の背後からLEDライトを当て、絵を浮かび上がらせる「光彫り」の技法を編み出した。
 建築を学んでいたゆるかわさんは、建築模型に使う断熱材の後ろから光を当てると美しい色が出ることに着目。光彫りは2008年に初めて制作し、15年以降に本格的に作り始めた。
 作品に使用する断熱材は縦90センチ、横180センチ、厚さ3センチ。断熱材6枚を使った大作や、はがき大の小品も出品している。
 壱岐で初めての展覧会に合わせて制作した「猿岩」も展示。さまざまな道具を使い分けて彫ることで質感を出し、見る角度によって表情が変わる。
 10日に会場を訪れたゆるかわさんは「空間の奥行きと息遣い、躍動感を感じてほしい」と話した。
 観覧料は一般300円、小中高生100円、未就学児無料。問い合わせは一支国博物館(電0920.45.2731)。

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