鳥栖が2022年発足の川井体制で初のリーグ戦連勝&川崎戦初勝利。大きな一勝の意味

[J1第14節]鳥栖 5-2 川崎/5月15日/駅前不動産スタジアム

3節から3連敗を喫するなど、苦しい戦いが続いていた鳥栖が、14節の川崎戦は5-2で快勝を収めた。

前節(13節)の磐田戦(○3-0)に続く勝利で、2試合で8ゴールと攻撃陣も好調だ。

驚いたのは2022年に就任した川井健太監督の下で、リーグ戦はこれが初の連勝だということ。そして川崎戦も同指揮官の下では初勝利だという。

「僕が(監督に)就任してから初めて(川崎に)勝利しました。ただ越えたとも思っていないですし、今日も対峙してやはり素晴らしいチームだなと思いました。見習う点は本当にたくさんあります。こういう試合を次に対戦する時もしたいなと思いますし、本当に偉大なチームなので、そのチームに勝ったことは素直に嬉しいです。ただ、まだまだ追いつかなければいけないなと思わされた試合でもありました」

そう振り返った川井監督は連勝の意味を次のように語った。

「やはり連勝は良いものだと思います。ただ連勝して勝点6にプラス1もらえるわけでもないですし、プラスアルファで何が良いかと言えばやはりメンタルですよね。気持ちが乗って次の試合を迎えられるのは非常に良いと思いますし、その効果はやはりあると思います。ただその効果を味わえるのが2日間だけなので(次節は5月18日の名古屋戦)、できれば1週間ほど味わいたかったなと。ただ、そこも伸ばしていければと思っていますし、今のメンタリティでパフォーマンスを続けることだけだと思います」

【動画】鳥栖×川崎のハイライト
4-2-3-1のシステムでCFマルセロ・ヒアンを頂点に、2列目の菊地泰智、横山歩夢、富樫敬真らがリズミカルに、そしてスピーディに絡み合い、ボランチの手塚康平、河原創がチームをコントロール。パリ五輪出場を決めたU23アジアカップで主戦CBを担った木村誠二も逞しさを増した印象で、最終ラインを組んだキム テヒョン、原田亘、長沼洋一も要所を締める。そしてGK朴一圭からのビルドアップという特長も健在だ。

まだ粗さも残すが、テクニカルで興味深いチームは、より洗練されていきそうな予感も漂わせる。

川崎戦の勝利に大きく貢献したボランチの河原もこの一勝の意味を語ってくれた。

「本当にデカいと言いますか、大きい勝ちだったと思います。相手も川崎ですし、なかなか連勝できなかったので、本当にやっとできたなという感覚と、この5月ずっと連戦で試合数がちょっと他の月より多いなかで、勝利を取れたのは大きいです。ただこれを途切れさせないのが一番ですし、2日後には連戦で名古屋戦があるので、ひと区切りつくとしたらそこだと思います」

14試合を戦って4勝2分8敗の17位。降格圏とは勝点3差だ。予断を許さない展開は続くに違いないが、次の名古屋戦でも手応えの掴めるゲームを演じられれば、勢いに乗る可能性もあるのかもしれない。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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