野良猫殺処分なくしたい 保護猫の会、18日譲渡会 青森・弘前市

保護猫の会が保護した推定年齢2、3歳の猫(同会提供)

 「弘前保護猫活動連絡協議会(保護猫の会)」(蛯名正樹会長)は18日午後1~2時、弘前市観光館追手門広場で、会員が保護した野良猫の譲渡会を初めて開く。弘前地域は青森県内で猫の殺処分数が突出して多く、野良猫の地域トラブルも絶えない。蛯名会長は「悲惨な運命をたどる野良猫を生まないための活動に協力してほしい」と、譲り受けを希望する人を募っている。

 県動物愛護センターによると、同市を含む中南地域で2023年度に保護された猫は159匹(県内で498匹)。そのうち約80匹が、引き取り手が見つからず殺処分された。23年度の県内の殺処分数は約320匹で、同地域は毎年突出して多いという。

 蛯名会長によると、中南地域の農村部では昔からネズミ捕りとして猫を飼う家が多かった。去勢手術の必要性も十分に認識されないまま猫が外で繁殖して子猫を生み、飼いきれなくなった飼い主が捨てるケースが多い。そういった猫はふん尿の臭いや鳴き声など、地域で問題にもなっている。

 同会は野良猫の保護活動をしてきた市民が集まり22年に発足。保護猫の避妊手術の費用を補助したり、餌代を出し合ったりして、殺処分される猫を減らす活動を続けている。将来的には同市に対し保護猫の去勢手術費用助成なども求めていく。

 譲渡予定の猫は1~3歳の保護猫10匹程度。去勢手術や人に慣れる訓練などをしている。猫ごとに推定年齢や病気の有無などの基礎情報を提供する。

 蛯名会長は「まずはかわいい猫との出合いを楽しんで」と語った。

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