青森県五所川原市市浦地区で11日、ニホンジカとみられるシカの姿が動画撮影された。撮影した南部町の大学生川村和(かの)さん(21)は、16日の東奥日報の取材に「初めて野生のシカを見たけど、こちらを警戒する様子もなく悠々としていた」と話した。
川村さんが、十三湖の北側にある旧市浦村太田地区の祖母の実家を訪れた際に撮影した。午後4時ごろ、実家裏の田畑や山林が広がる地域に出現。20~30メートルの距離で、シカは川村さんが撮影する様子に気付いていながら、逃げ出すこともなく悠然と草をはむなどしていた。15分以上観察してもいなくならないため、川村さんが先にその場を離れたという。
野生動物を研究する弘前大学農学生命科学部生物学科のムラノ千恵助教は、動画を見た上で、近くに寄ってもシカが逃げないことから、人に慣れた個体かもしれない-と推測。「県内で南から分布拡大しているニホンジカである可能性が高い」とした。