ECBは利下げ急がず、6月以降は慎重に=ラトビア中銀総裁

[ポルトロシュ(スロベニア) 16日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーでラトビア中銀総裁のマルティンス・カザークス氏は16日、ECBは6月に利下げする可能性が高いが、利下げを急いでいるわけでく、評価する時間を確保するためにその後の動きは間隔を空ける可能性があると述べた。

ロイターに対し「慎重な利下げ路線をたどれば、われわれには恩恵がある」と指摘。新たな経済予測が発表される6月、9月、12月の理事会であれば「決断を下すのはずっと容易になる」とした。

現時点では利下げに必要な条件は全て整っており、経済もほぼ予想通りに展開しているため、6月の利下げは確実視されるとした一方、「インフレが今年の大半で横ばいで推移するとの見通しを考慮すると、毎回の理事会で何かしらの行動がとられると見込むことはできない」とした。

カザークス氏は、経済情勢がECBの見通しから大きく逸脱した場合には経済予測が発表されない7月や10月の理事会でも利下げを実施すべきだが、そうでなければ政策当局者は7月や10月での利下げを控えるべきと主張。約3回の利下げを織り込んでいる市場に「比較的満足しており、これを乱すことは、さらなるボラティリティーを生み出すだけだ」とした。

また、現在4%の中銀預金金利は制約的な領域に「深く」入っており、数回の利下げが実施された後でも高水準の金利が引き続き経済成長を抑制し、インフレが定着するリスクを緩和するとした。

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