群馬・高崎市でベトナム男2人の身柄確保 3県警 安中市の強盗事件も捜査 

安中市の強盗致傷事件で、現場を調べる捜査員

 群馬県安中市など関東の山あいの住宅が狙われた連続強盗事件で、被害品のキャッシュカードで現金を引き出そうとしたなどとして、群馬、栃木、長野3県警の合同捜査班は16日までに、窃盗未遂などの疑いで、住居不詳、自称内装工の男(25)らベトナム国籍の男2人を逮捕した。高崎市の宿泊施設で身柄を確保した。関係者によると、群馬県内を中心に生活していたとの情報がある。捜査班は2人の足取りや強盗事件との関わりを調べる。

 男の逮捕容疑は4月30日午前5時ごろ、栃木県佐野市のコンビニのATMで、同県日光市足尾町の男性(75)のキャッシュカードを使って現金を引き出そうとした疑い。男性はその数時間前に自宅で強盗にカードを奪われていた。

 捜査班によると、容疑を否認している。コンビニの防犯カメラに、引き出しに失敗する様子が映っていた。高崎市の宿泊施設では車1台も押収した。住所については具体的な供述を拒んでいる。

 また、捜査班は同じ部屋にいた同国籍で住居不定、無職の男(23)を入管難民法違反(不法残留)容疑で現行犯逮捕した。技能実習の在留期限が昨年切れていたといい、容疑を認めている。住まいは「転々としていた」と供述している。

 安中市松井田町五料では8日午前2時20分ごろ、住宅に男2人が押し入り、寝ていた男性(70)に包丁のようなものを突き付けて両手を縛り、目と口をふさぎ、現金などが入った財布を奪って逃走。男性は軽傷を負った。犯人は手軽に使用できる現金(約8万円)だけを持ち去った可能性があり、財布とカード類は残されていた。

 強盗事件は4月30日に日光市、5月6日に長野県松本市、14日に福島県南会津町でも発生。未明に山あいの一軒家で、2人組が住人を縛って現金などを奪う手口が共通していた。捜査班は10日に安中署に設置され、福島県警とも情報共有して実態解明を進める。

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