世界パラ陸上、神戸で開幕 コロナで3年遅れ 25日まで1000人超が熱戦展開

世界パラ陸上の男子5000メートル(視覚障害T11)で力走する選手たち=17日午前、神戸市須磨区のユニバー記念競技場(撮影・長嶺麻子)

 「神戸2024世界パラ陸上競技選手権大会」は17日、神戸市須磨区のユニバー記念競技場で秋篠宮ご夫妻出席の下、有観客で開会式が行われ、9日間の幕を開けた。当初は2021年に開催予定だったが、世界中に感染が拡大した新型コロナウイルス禍の影響を受け、2度の延期を経て3年遅れでの開催。日本代表66人を含む104カ国・地域の代表選手1073人がエントリーし、トラック、フィールド競技の計168種目で熱戦を繰り広げる。

 1994年にベルリンで第1回大会が開かれ、東アジア初となる今回は11回目。4年に1度のパラリンピックとも初めて同じ年に開催される。神戸でパラスポーツの国際大会が開かれるのは、89年のフェスピック(極東・南太平洋身体障害者スポーツ大会=現アジアパラ大会)神戸大会以来、35年ぶりとなる。

 共生社会の実現へ「つなげる」「ひろげる」「すすめる」との基本理念を掲げた大会。地元の須磨翔風高校和太鼓部員らによる勇壮な演奏に続き、神戸市出身で盲目の声楽家、時田直也さん(63)の国歌独唱で開会式が始まった。

 競技場に近い同市立西落合中学校の生徒らがプラカードや国旗を持ち、各国・地域の選手代表が行進した。秋篠宮さまは「多くの人々の心に残る大会になるとともに、これを契機にパラスポーツへの関心が今以上に高まることを願っております」などと述べた。

 初日から世界新記録が誕生するなど好記録も相次ぎ、どよめきと歓声、拍手が競技場内に響いた。男子5000メートル(視覚障害T11)の唐沢剣也選手(SUBARU)が日本勢第1号のメダルを銅で飾った。

 大会は25日まで。午前(9時~正午)と午後(5~8時)の2部制で実施する。(大原篤也)

© 株式会社神戸新聞社