ほぼ1人で伐採から組み立てまで 手作りログハウス完成 鈴木登さん(青森・野辺地町)

自作したログハウスの前に立つ鈴木さん
ロフト付きのログハウス内部。床にはヒバをタイル状に敷き詰めた

 青森県野辺地町の建築業鈴木登さん(70)が、同町有戸鳥井平の自社敷地内に手作りのログハウスを完成させた。本業の傍ら、木の切り出しから製材、組み立てまでほぼ1人で行った。丸太の雰囲気を生かしたログハウス製作の夢をかなえた鈴木さんは「満足できる自信作。誰でも気軽に集まれる場所になれば」と話している。

 鈴木さんは、これまで3棟の小屋を自作した経験があるが「材料があれば誰でも作れ、満足いくものでなかった。丸太を使って、自分で最初から最後まで作りたかった」という。

 2年前から、買い手がつかない小さな山林のスギを譲り受けて伐採し、運び出して乾燥させ製材するなど準備を進め、今年2月ごろから組み立てに着手。終業後に夜遅くまで作業したり、休日返上で取り組んだりして4月下旬に完成させた。棟上げを従業員に手伝ってもらい、屋根のトタンぶきや電気の配線を業者に依頼したほかは、全て自力で仕上げた。

 「重くて長い丸太を1人で作業するのは危険だし大変だった。どこまでできるかという自分への挑戦」と鈴木さん。「図面は頭の中。わくわくしながら作っていた」と振り返る。

 完成したログハウスは幅3メートル、高さ4メートル。奥行きは8メートルで、丸太1本を棟木にした。ロフト付きで広さは計18畳ほど。本業の腕を生かして自作した玄関の扉や窓の取っ手には、桜やリンゴなどの枝を使い遊び心を感じさせるようにした。

 鈴木さんは「この世に二つとないものを残したかった。町内で働く外国人と交流がある。みんなとわいわい楽しく集まる場にしたい」と話している。

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