海自大湊統合は「地域としての活動少ない」から 江渡元防衛相発言巡り質問状 むつ8団体、自民などに

柳谷支部長(左)に質問状を渡す内田会頭=16日、むつ市

 海上自衛隊大湊地方隊(青森県むつ市)の横須賀地方隊(神奈川県)への統合を巡る自民党の江渡聡徳元防衛相の発言を受け、むつ商工会議所(内田大輔会頭)など地元8団体は16日、同党の津島淳県連会長、岸田文雄総裁、木原稔防衛相に対し、発言内容への見解を問う質問状を提出した。

 同商議所のほか、むつ自衛隊支援団体連絡協議会、下北建設業協会、むつ・下北鉄工組合、下北郡電気工事工業協同組合、協同組合むつ管工事協会、下北塗装組合、むつ青年会議所の連名。内田会頭が同商議所で、柳谷謙・自民党むつ市支部長に質問状を渡した。

 質問状には「私たちのこれまでの度重なる要望活動が否定され、侮辱を受けた印象」と明記。津島氏には▽発言内容は党の考えか▽内容が事実でなかった場合、党として撤回や謝罪をする準備があるか-をただした。回答期限は24日。岸田総裁と木原防衛相には、発言内容が事実かを問い、31日までに回答を求めた。

 取材に対して内田会頭は、改編の話が出てから幾度となく、市や市議会、さまざまな団体が要望・情報交換を行ってきた-とし、「今回の発言は、われわれが活動の中で聞いた話とあまりにも違う。また、発言があった際、出席者から異論が出なかったことに地元としては失望、悲しさを感じる」と語った。柳谷支部長は「個人的には各団体が一生懸命陳情していたことを把握しているので、言葉に少し齟齬(そご)があったのかなと思う」と述べた。

 江渡氏は11日に青森市で開かれた津島氏の政治資金パーティーで、大湊地方隊の統合について「県や地域としての活動が少なかったことで、そういう状況になってしまった」などと述べた。

▼むつ市も防衛省に質問状

 むつ市は16日、海上自衛隊大湊地方隊(同市)の統合を巡る江渡聡徳元防衛相の発言を踏まえ、防衛省に対し、再編の経緯を確認する質問状を13日付で送ったことを明らかにした。24日を回答期限としている。

 文書は齋藤友彦副市長名で、増田和夫防衛事務次官宛て。再編に当たり同省から聞いていた内容と異なる発言があったとし、「この発言を放置することがあれば、これまで築き上げてきた信頼関係を損なうことにつながりかねない」と明記。その上で、大湊地方隊は地域としての要望活動が少なかったから統合されるのか、舞鶴地方隊(京都府)が再編されなかったのは地方の要望が大きかったからか-の2点をただした。

 報道陣の取材に応じた齋藤副市長は、できる限りの要望活動をしていたという認識を示しつつ、同省に対して質問状を送った理由については「われわれは行政機関。行政的にどういう影響があるのか確認するために防衛省に発出した」と説明した。

▼津島青森県連会長 面会する意向

 むつ下北地域の8団体から質問状が提出されたことを受け、自民党県連の津島淳会長は16日の取材に、今週末にもむつ市を訪れ、各団体の関係者と直接面会したいとの意向を示した。「こちらの気持ちを伝えると共に、(関係者が)ご不快の念を抱いているので謝罪もし、事実関係を説明したい」と述べた。

 津島氏は自らの国政報告会が今回の発端となったとして「私自身が速やかに対応するべきだと考えている」と説明。質問への回答内容などは「詳細はまず、むつの皆さまに直接話したい」として明らかにしなかった。「これを契機に、密接なコミュニケーションを取れるような関係とさせていただきたい」とも語った。

© 株式会社東奥日報社