米財務長官、ロシア凍結資産活用の前倒し提起へ 来週のG7会合

David Lawder

[ワシントン 17日 ロイター] - イエレン米財務長官は来週の主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議で、凍結されたロシア資産から得られる利子収入をウクライナ支援に充てる案を前倒して実施することに合意するよう働きかける。ウクライナにより多くの資金を迅速に提供することが狙い。米財務省当局者が17日、明らかにした。

当局者は、イエレン長官はG7財務当局者がこの計画で合意し、6月のG7首脳会議に向け提案できることを望んでいると述べた。

ただこれまでのところG7財務当局者の反応は慎重だ。鈴木俊一財務相は17日の閣議後会見で、ウクライナを支援する目的で米政府が計画している債券発行について、国際法に整合的なものでなくてはならないと述べた。

フランス経済財務省は声明で「フランスはウクライナにさらなる資源が必要であるという事実を支持し、共有している。米国の提案を注視しており、最善の選択肢を決定するためにG7レベルと欧州レベルで技術的に協力していく」とした。

イエレン長官はまた、電気自動車(EV)、太陽電池製品、半導体などの戦略的産業における中国の過剰な生産能力への対応についても協議したい考え。議論には、米バイデン政権が今週発表した中国からの輸入品に対する関税の大幅な引き上げも含まれるという。

当局者は、イエレン長官はG7各国に同様の関税措置を求めるわけではないが、G7がこの件について「声を一つ」にし、中国の産業政策が世界にこれほど大きな波及効果をもたらすことは受け入れられないと明確にすることが重要とした。

イエレン長官は イタリアのストレーザで開かれるG7財務相・中銀総裁会議出席に合わせ、ドイツのフランクフルトも訪問する。

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