廃棄野菜で駆除ウニ育成 氷見高、若者グループ、企業が連携協定

駆除ウニの商品化などへ意欲を新たにした関係者=氷見高

 藻場が荒れる「磯焼け」を防ぐため、駆除したウニを規格外の廃棄野菜で育てる養殖プロジェクトを一層推進するため、氷見高と、射水市の若者グループ「とやまのめ」、一次産業の課題解決に取り組むシテン(射水市)が17日、同校で包括連携協定を結んだ。第1弾として、三菱地所を中心に全国各地の食の開発を進める「めぐるめくプロジェクト」と連携し、7月末ごろに昨年度に能登半島地震の影響で実現がかなわなかった商品化を目指す。

 協定では、廃棄野菜で育てた駆除ウニの商品化や、氷見高生と地元の小中学生との連携による普及活動、学生ビジネスコンテストなどへの参画による同校のブランド力の向上などを中心に取り組む。

 商品開発では高岡市金屋町の「KOMBU HOUSE昆布BAR」や東京・四谷の高級すし店「後楽寿司 やす秀」と連携し、とやまのめやシテンは試食や商品開発をサポートする。さらにアパレルメーカーとも連携し、能登半島地震の影響で身がなくなったウニの殻を活用してサンプルを染色する新たな事業にも取り組む予定にしている。

 氷見高は夏までに校内で駆除ウニを養殖できる装置を整備して氷見市姿の県漁業栽培センターと並行し養殖に力を入れる。藤田俊英校長は「教育効果が高まることに期待している」と話した。とやまのめの中谷幸葉代表理事は「海や農業の社会課題を知ってもらい、全国に広がってほしい」と述べた。シテン取締役の荒川健生氏が同席した。

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