道路の縁石に座り込む高齢男性「家に帰れなくなった」…孫と散歩中に通りがかった男性の優しさ 福井県敦賀市

谷口署長(左)から感謝状を受け取る菅野さん=5月17日、福井県警敦賀署

 福井県警敦賀署は5月17日、福井県敦賀市御名の県道で座り込んでいた認知症の70代男性を保護したとして福井市の菅野吉照さん(67)に感謝状を贈った。

 菅野さんは4月2日、敦賀市に住む娘や孫に会いに行った。午後2時ごろ、孫と2人で家の近くを歩いていたところ、道路の縁石に座り込む高齢男性から「家に帰れなくなった」などと話しかけられた。男性が住所を言えなかったことから認知症で道に迷っている可能性を考え110番し、署員が到着するまで男性を見守った。

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 同署によるとこの日、男性は自宅から離れた畑で作業をしていたという。午前11時ごろ、妻が車で迎えに行ったが、姿が見えず家族や署員が行方を捜していた。

 同署で行われた贈呈式で谷口敏英署長から感謝状を受け取った菅野さんは「ほっとくわけにはいかないと思い最後まで見守った。無事に家族のもとに帰れてよかった」と話した。

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