新緑心地良く 藩政時代に思いはせ 八戸南部氏庭園、春の開園

八戸南部氏庭園を散策する来園者=17日、八戸市

 八戸市売市4丁目の八戸南部氏庭園で17日、春の開園が始まった。150年以上の歴史を持つ庭が新緑と花に包まれる中、訪れた人がゆっくりと散策しながら藩政時代の趣を楽しんでいる。20日まで。

 同庭園は1842年、八戸藩が第9代藩主として南部信順(のぶゆき)を薩摩藩から迎えた際に作られた。手がけたのは薩摩藩お抱えの庭師だったと言われ、特徴として▽歩いて回りながら楽しむ「回遊式」▽中国の伝説の山に見立てた島を設ける「蓬莱(ほうらい)山形式」▽水を使わずに海や川を表現する「枯山水」―が挙げられるという。

 一般公開は毎年春と秋に行われ、無料でガイドを受けることができる。

 初日は強風が吹いたが、開園を心待ちにしていた人たちが訪れて風景を写真に収めていた。市内から訪れた主婦(69)は「いつも春の開園に来ている。緑とツツジがきれいで気持ちがいい」と笑顔を見せた。

 ガイドの加藤眞人さん(79)は「青森県内唯一の大名庭園なので、散策しながら幕末を生きたお殿様の心情を想像してみてほしい」とPRする。

 入場無料。時間は午前10時~午後4時。【全文】

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