キャベツ高騰で食卓悲鳴 島根卸値、前年同期の3倍 来月まで高値続く予想

通常の倍の値段で販売されているキャベツ=松江市西法吉町、スーパーマーケット・ハロー

 島根県内でキャベツの値段が高騰している。この時期に入ってくる愛知県産が春先の多雨や気温が低かった影響で流通量が少ないためだ。松江市内のスーパーでは、通常の1.5~2.5倍の値段が付く。6月に入るまでは高値が予想されており、しばらくは消費者を悩ませそうだ。

 「ただいま全国的に高くなっています」。16日、松江市西法吉町のスーパーマーケット・ハローのキャベツ売り場には高騰を知らせるポップが並んだ。

 普段は1玉198円で販売する春キャベツは2倍以上の398円。5月の大型連休後には価格が下がる傾向にあるが、今年は例年とは様相が異なる。高騰に伴い普段より多く半玉も店頭に並べており、田中耕大店長は「半玉が倍以上売れている。割高なカット野菜も今では割安だ」と話す。

 店舗に買い物に訪れた同市堂形町の田中勢子さん(68)は、半玉のキャベツを手に取り「こんな高くなるなんて」と渋い表情を浮かべた。

 松江連合青果(松江市嫁島町)によると、キャベツ1キロの卸値は、前年同期の3倍となる450円に上る。愛知県産が不作で思うように入ってこないため、島根県産も流通しているものの、価格が下がらないのが要因という。湯畑安雄蔬菜(そさい)部長は「長野県産のキャベツが入るのが6月ごろ。それまではこの値段が続きそうだ」と見通す。

 キャベツを多く使用する飲食店は、あらかじめ仲卸などと定額で契約し、量を確保するが、不安は絶えない。

 多い時は1日8玉以上使うという「お好み焼きひろしま」(同市菅田町)の高橋勇一店長は「定額で仕入れているとはいえ、品質が劣る場合もあり、早く通常通りになってほしい」と願い、とんかつを提供する「かつふじ」(同市学園南2丁目)の高橋栄治店長は「ダイコンなど他の野菜も高くなり負担になっている。こうした状況が続けば値上げを視野に入れなければならない」と嘆いた。

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