青森ねぶた祭(8月2~7日)に向け、青森市安方のねぶた団地「ラッセランド」では、大型ねぶたの制作が進んでいる。17日は関係者が同所で安全祈願祭を行い、制作期間中の無事故を願った。
ラッセランド内にある「NTTグループねぶた」の小屋では骨組みの真っ最中。作品を手がける、ねぶた師・北村春一さん(43)を筆頭に、弟子やスタッフが手際よく作業を進めていた。
今年の題材は、征夷大将軍・坂上田村麻呂(758~811年)にまつわる伝承の一つ「達谷窟伝説(たっこくのいわやでんせつ)」。かつての最高賞「田村麿賞(現ねぶた大賞)」の基となった田村麻呂を扱うのは初めてだといい、「田村麻呂はいろいろな鬼退治の伝説がある。赤い鬼と、流れ落ちる青い滝のコントラスト、滝の表現に力を入れたい」と話す。
安全祈願祭では、関係者が玉串をささげ、無事息災を祈った。青森ねぶた祭実行委員会の佐藤健一実行委員長(青森観光コンベンション協会会長)は、インバウンド(訪日客)需要にも触れ「ねぶた師の英智とエネルギーが込められた新作ねぶたは芸術的にも高いレベル。海外のお客さんにも喜んでもらえる」と自信を見せた。
今年は22台の大型ねぶたが出陣予定。制作は7月下旬まで続く。