23年青森県産リンゴ 収穫37万トン、15%減 3番目の少なさ、猛暑響く

 農林水産省が17日発表した作物統計によると、2023年産青森県産リンゴの収穫量は37万4400トンで、前年産を15%下回り、統計が残る1973年産以降で3番目に少なかったことが分かった。台風19号被害に遭った91年産(26万1500トン)、天候不順の影響を受けた2011年産(36万7600トン)に次いで40万トンの大台を割り込む低水準。県は昨夏の猛暑が主な要因とみている。

 23年産の主要品種別の収穫量は、ふじが18万1400トン(前年産比15%減)、つがる3万6700トン(同17%減)、王林3万8千トン(同11%減)、ジョナゴールド3万1300トン(同15%減)など。

 県によると、昨夏の記録的な猛暑で果実の肥大が鈍り、つがるなどの早生(わせ)種では日焼けや胴割れといった生理障害が発生。ジョナゴールドは収穫前の落果が目立ったほか、ふじは鳥獣被害が多発するなど主要全品種が減産となった。

 県りんご果樹課の種市順司課長は「収穫量は少ないが、価格は高値を維持している。技術力の高さが食味の良さにつながった」と述べ、「今後はさらに生産性を高めるため高密植わい化栽培を取り入れるなど各市町村と連携し、担い手育成や技術向上を進めていく」と話した。

 一方、23年産の結果樹面積(栽培面積のうち生産者が果実を収穫した園地の面積)は前年とほぼ横ばいの1万9500ヘクタール。10アール当たり収量は前年産比14%減の1.9トンだった。

 全国の結果樹面積は前年産比1%減の3万4600ヘクタール。収穫量は同18%減の60万3800トンで、トップの青森県が全体の62%を占め、長野県が18%(10万6900トン)で続いた。

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