フグ食中毒で女性意識不明の重体 東郡の80代、自ら調理か/青森

 青森県は17日、フグを自分で調理して食べたとみられる東郡の80代女性が食中毒を発症したと発表した。女性は現在も入院中で意識不明の重体となっている。県内でフグによる食中毒の発生は2022年以来。

 県保健衛生課によると、女性は1人暮らしで、14日夜にめまいやろれつが回らないなどの症状が現れ、女性から電話を受けて駆け付けた親族が119番通報した。女性は青森市内の医療機関に搬送されたが症状が悪化。15日に医療機関が同市保健所に連絡した。

 本人への確認が取れないものの、女性の自宅にフグの身と卵巣が入った汁物が残っていたことや、女性の胃の内容物と尿からフグの毒(テトロドトキシン)が検出されたことなどから、県がフグによる食中毒と断定した。フグは知人からもらった可能性があり、女性の他に汁物を食べた人はいないとみられる。

 1976年以降、県内で発生したフグ食中毒は今回を含め10件あり、患者数は12人、うち死者は4人。

 フグの毒は末梢(まっしょう)神経に作用する神経毒で、通常食後30分~6時間で発症する。嘔吐(おうと)やしびれなどの初期症状から歩行困難、言語障害が現れ、呼吸停止で死亡する場合もある。食中毒は釣ったフグを専門知識のない人が家庭で調理して発生するケースが大半を占め、同課は釣ったフグを他人にあげたり、家庭で食べたりしないよう呼びかけている。

© 株式会社東奥日報社