タブレット普及で使わなくなった小学校PC室、図書スペースに「変身」 京都府南丹市、全小で改装

表紙が見えるように本を並べられる書架(南丹市日吉町・胡麻郷小)

 京都府南丹市内の全7小学校で、使われなくなった旧パソコン室などが改装され、表紙が見える本棚が並ぶ図書スペースが誕生した。背表紙しか見えない棚より児童の興味を引きやすく、好評を得ている。

 読書のきっかけをつくろうと市教育委員会が整備した。タブレット端末やインターネット環境の整備で空きスペースになった旧パソコン室や、図書コーナーの一角を活用した。

 胡麻郷小(日吉町)では、高さ1メートル、幅3メートルほどの書架4つが、以前はパソコン室と兼用だった図書室にお目見えした。表紙が見える向きに計50冊ほどを立てることができ、新しく購入したお薦めの作品を置いている。

 2年生15人は4月下旬、国語の授業で図書室を訪れた。図書室に勤める「ことばの力育成支援員」による読み聞かせの後、好みの本を探した。

 愛らしいイラストの絵本、工場の仕事を迫力のある写真で伝える書籍が視線の高さに並び、児童は表紙を見ながら次々と手に取っていた。

 支援員の井尻陽子さんは「表紙が目を引くからか、並べた本が、すぐに借りられていく。図書室に来る子が増えた」と喜んでいた。

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