手足縛り容器に密閉 青森県警、殺人容疑で男3人再逮捕 七戸・遺体遺棄

 青森県七戸町の私有地で4月、同町のトラック運転手の男性=当時(54)=の遺体が見つかった事件で、県警は18日、負傷した男性をプラスチック容器に閉じ込めて放置し殺害したとして、同町森ノ上、無職の男(47)、同町森ケ沢、無職の男(45)=ともに死体遺棄罪などで起訴済み、六戸町小松ケ丘1丁目、無職の男(55)=覚醒剤取締法違反罪で起訴済み=の3容疑者を殺人容疑で再逮捕した。県警は裁判員裁判対象事件として認否を明らかにしていない。

 発表や東奥日報の取材によると、事件当時、45歳の男と55歳の男の両容疑者は47歳男の容疑者が実質的に経営する運輸会社に勤務。数年前まで男性も同社で働いており、いずれも面識があったという。県警は容疑者と男性の間に何らかのトラブルがあったとみている。

 再逮捕容疑は1月7日午後7時20分ごろから2月2日ごろまでの間、3容疑者は共謀し、男性の両手足を結束バンドで縛った状態で、円柱状のプラスチック製容器(直径約50センチ、高さ約1メートル)に入れ、ふたをして密閉。七戸町森ケ沢の土場に設置されたコンテナ内に容器を放置し、その後、同町猪ノ鼻の土場に容器を運んで土中に埋め、いずれかの時期に殺害した疑い。

 現場はいずれも47歳の男の容疑者の家族が所有する土地で、同社が業務で使用していた。県警は同容疑者の家族は事件に関与していないとしている。

 男性は1月7日、自宅に貴重品を残したまま行方不明となった。4月1日、県警の捜索で、今回の現場とは異なる同町家ノ下の私有地の地中から容器に入った状態で遺体で見つかった。

 47歳の男と45歳の男の両容疑者は1月7日夕、男性に暴行を加えて自宅から連れ去り、2月2日ごろ、男性の遺体を土中に埋めたとして加害目的略取、監禁、死体遺棄の罪で、55歳の男の容疑者は別事件で覚醒剤取締法違反の罪でそれぞれ起訴されている。県警は同容疑者について「(薬物事件と)並行した捜査の過程で今回の殺人事件の関与が認められたため逮捕に至った」とし、男性の死体遺棄事件などへの関与は今後の捜査で明らかにする。

 男性の死因は不詳としたが、県警は「多発肋骨(ろっこつ)骨折による出血性ショック、呼吸不全の可能性があり、さらに発見状況から窒息も競合(する)死因となった可能性もある」と説明。今後の捜査で死因やどの時点で死亡したかについて特定する-とした。

 県警は死体の発見状況から殺人事件と断定し、4月8日、七戸署に捜査本部を設置。容疑者の供述や七戸町の関係先を捜索するなどし、3容疑者が殺人に関与したと判断した。

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