巨大地震、集落孤立や避難長期化の備えは 松山で愛媛防災シンポ

能登半島地震を踏まえ、災害への備えを考えた第8回愛媛防災シンポジウム=19日午後、松山市若草町

 第8回「愛媛防災シンポジウム」(愛媛新聞社、NHK松山放送局主催)が19日、松山市若草町の市総合福祉センターであった。1月の能登半島地震で課題となり、将来の南海トラフ巨大地震発生時でも懸念される集落の孤立や避難長期化への備えなどを考えた。

 京都大防災研究所の矢守克也教授や被災者支援の経験があるタレントのはるな愛さん、「サバイバルするアイドル=さばいどる」で防災士の「かほなん」さんが登壇し、市民ら約140人が参加した。

 能登半島地震では、13市町で327カ所の避難所が開設されたが、175カ所は行政が定めた指定避難所ではなく自主避難所だった。矢守教授は、指定避難所の遠さや地域の孤立でたどり着けなかったケースのほか、余震や風邪への不安があったと解説した。

 2013年の県地震被害想定調査では、県内で600以上の孤立集落発生を想定している。矢守教授は「自分ごと」として備えるよう訴えるとともに、南海トラフ巨大地震では国内の約4割の自治体が被災する可能性があり、外部からの支援が期待できない中で地域や個人の備えが重要になると強調した。

<詳報を6月1日付に掲載予定です。NHKは総合テレビで同2日午後1時5分から、ラジオ第1で同28日午後4時5分から放送。愛媛CATVは同9日午前10時から放送します>

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