避難所での思い表現 福島県富岡町で朗読・音楽の構成劇

避難所での心境を表現する団員

 福島県のNPO法人富岡町3.11を語る会主催の朗読と音楽による構成劇「生きている 生きてゆく~ビッグパレットふくしま避難所記より~」は19日、富岡町文化交流センター「学びの森」で催された。富岡町民劇団「ホーム」が出演し、東京電力福島第1原発事故で避難を強いられた町民の苦悩や前を向いて歩もうとする思いを表現した。

 劇団の朗読劇は5回目だが、町内での舞台は初めて。郡山市のビッグパレットふくしまでの避難生活を記録した同名の本を基に、語る会の青木淑子代表が脚本・演出を手がけた。団員は「大変なのは、これから」「人生全て一からやり直し」など、当時の町民らの心境を切々と伝えた。

 富岡町出身のシンガー・ソングライター伊藤優大さんがギターの演奏と歌を披露した。福島市の詩人和合亮一さん、県の担当者として避難所運営に携わった天野和彦さんが特別出演した。

 終演後、団長の平良結香里さんは「避難時の苦しみ、ボランティアの人々への感謝を伝えることができた」と話した。

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