歌声で能登に勇気を 全国の中高生、6月にオンラインコンサート 福島県郡山市から30人参加

恩返しの思いを歌声に乗せた郡山東高と郡山女子大付高の生徒

 合唱に取り組む全国の中高生約1700人が能登半島地震の被災地を勇気づけようと収録した歌声が、オンラインコンサートとして6月下旬に配信される。福島県内から郡山市の高校生約30人と県合唱連盟の菅野正美理事長が参加した。「東日本大震災の時に受けた支援の恩返しをしたい」と歌声で気持ちを届ける。

 金沢市を拠点に高校生以上が活動する「合唱団水星」の呼びかけで実現した。全国から参加を募り、20都県35団体が手を挙げた。チケットは1100円で販売予定。収益を石川県珠洲市の中高生の支援に充てる。地震で壊れたスピーカーを寄付する方針。

 合同合唱は震災と東京電力福島第1原発事故をきっかけに生まれた「群青」と、「ふるさと」の2曲を披露する。3月に菅野理事長の指揮でピアノ伴奏を収録し、各団体がそれぞれ歌う様子を撮影した。映像を編集し一つの合唱にする。

 県内からは郡山市高校合唱連盟として郡山東、郡山女子大付、日大東北、安積黎明、安積の合唱部員が参加した。郡山女子大付の早川幸那部長(3年)は「まだ元の生活には戻れないと思うが、歌で少しでも元気になってほしい」と語った。

 福島県と石川県の生徒は合唱を通して交流がある。昨年1月に合同演奏会で石川県を訪れた郡山東高の鈴木莉菜部長(3年)は「一緒に歌った仲間が心配だった。みんなとつながれるのがうれしい」と話した。

 動画共有サイト「Vimeo」で配信する。購入方法は合唱団水星のホームページに掲載している。

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