MLBが大谷翔平の元同僚フレッチャーへの違法賭博調査を開始。「親友がエンゼルスの試合にも賭けていた」「今季は投手で登板」など米ESPN報道

現地5月20日、米ネットワーク『ESPN』はアトランタ・ブレーブス傘下の3Aでプレーするデイビッド・フレッチャー内野手に対して、MLBが本格的な調査を開始したと伝えた。フレッチャーはロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平がロサンゼルス・エンゼルス時代に懇意にしていた元同僚で、ここ数日は一連の違法賭博スキャンダルに絡み、大谷の元通訳である水原一平被告との関係が取り沙汰されてきた。

ESPNは「MLBの関係者は月曜日、違法賭博に関してフレッチャーへの調査をスタートさせたとESPNに明かした。フレッチャーは水原と同じ胴元であるマシュー・ボウヤーを通じて賭けていたとされるが、野球にはいっさい賭けていないと主張している」と記載、そのうえで「しかしながらフレッチャーの親友で元選手のコルビー・シュルツはボウヤーとのやりとりの中で、フレッチャー在籍時のエンゼルスの試合にも賭けていたと見られる」と続けた。

MLBの調査担当はフレッチャーへの事情聴取に踏み切るようだが、フレッチャーには拒否する権利があるという。同担当はESPNに「今回のような証拠が不十分な場合は、政府の協力が必要になってくるかもしれない」と語っている。

メディアの再三に渡る問いかけにいっさい応じていないフレッチャー。一方で所属する3Aのグイネット・ストライパーズでは、第一報が報じられた金曜日(5月17日)以降も試合出場を続けている。ESPNは「土曜日は3打数無安打1四球に終わり、日曜日にはゲーム終盤に投手として登板し、1回1/3を投げて3失点。彼はこれまでのプロキャリアで投手として一度も出場していなかったが、今季のグイネットではすでに3度登板している」と近況を伝えた。
2021年9月、フレッチャーは水原被告がボウヤー氏と初めて会ったポーカーゲームに同席していたが、3月にESPNが直撃した際には、ふたりを引き合わせたのは自分ではないと断言。「ボウヤーがブックメーカーであることは知っていたけど、僕は彼を通じて賭けをしたことはない」と強く否定もしていた。

フレッチャーは昨年のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)にイタリア代表として出場し、準々決勝では日本と対戦して存在感をみせた。当時も大谷や水原被告と楽しげに交流する様子が話題を集めるなど、日本のファンにも馴染みの深い選手だ。それだけに、今後の捜査の進展が気になるところ。もし野球の違法賭博にも関わっていたと証明されれば、永久追放などの厳罰が下される可能性もある。

構成●THE DIGEST編集部

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